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家づくり
北欧スタイルから学ぶ、シンプルで機能的な家づくり
シンプルでありながら機能的な環境が整っている家づくりを望む方も多いでしょう。
お手本の一つとなるのが、インテリアデザインでも人気の高い「北欧スタイル」。
北欧と言うと家具をイメージされがちですが、家づくりの外観や内装にも特徴があります。
北欧スタイルの基本は、シンプルなデザインと機能性。
自然を感じる豊かさと温かみのある住まい空間が特徴的で、日本の家づくりにもマッチしやすいです。
とはいえ、北欧スタイルにするために、外観や内装のデザインや色使いをどのようにすれば良いか難しいところもあります。
今回は、北欧スタイルを取り入れた家づくりの特徴や、機能的なポイントをご紹介します。
目次
北欧スタイルの家の特徴
北欧とは、デンマークやフィンランド、スウェーデン、ノルウェーといったヨーロッパ北部の国々のこと。北欧エリアは、冬の寒さが厳しい気候と自然環境に恵まれた地域です。冬の時期が長いこともあり、家族や友人とゆっくり家で過ごす時間が長く、住空間にこだわったインテリア性も文化とされています。北欧スタイルの住空間を一言で表すときに使われるのが「ヒュッゲ」。「居心地の良い空間」「快適な時間」という意味のデンマーク・ノルウェー語です。そのヒュッゲを実現するために、北欧スタイルの家づくりでポイントとなるのは以下の4つです。
・木のぬくもりを感じる素材感
・あたたかみのある住空間
・家族や友人が集まりやすい住空間
・シンプルで流行り廃りのないデザイン
北欧スタイルの特徴を、家づくりに活かしていきましょう。
北欧スタイルの家づくり5つのポイント(外観編)
北欧スタイルの外観は、デザインや機能面で特徴的なポイントがあります。形や色の使い方で、北欧スタイルのデザイン性を活かした家づくりが可能です。北欧スタイルの外観で、大切な5つのポイントを解説します。
シンプルなデザイン
北欧スタイルは、奇抜な印象はなくシンプルなデザインの外観です。白やベージュなどの色使いが多く、自然の森の中にありそうな柔らかい印象のデザイン。ナチュラルでモダンな雰囲気のため、日本でも好まれやすい印象です。木材を使った素材感があり、寒い環境でも快適に過ごせるように、気密性や断熱性にこだわった造りになっています。
ツートンカラー
北欧スタイルの住宅は、ツートンカラーをよく使うのも特徴的です。白やベージュなどのアースカラーをベースにして、グレーやネイビーなどのカラーと組み合わせるパターンがよくあります。全体的には落ち着いたマット系の色が雰囲気に合わせやすく、ヨーロッパ調に仕上げるために赤レンガを使用するのもポイントです。
三角屋根
北欧住宅の大きな特徴となる三角型の大屋根。北欧は雪が降る地域なので、屋根に雪が積もらないよう三角形になっているのが特徴です。その他、軒を深くして雨水の侵入を防ぐといった工夫がされています。日本では、三角屋根だけでなく四角いキューブ型にするケースも多いので、好みに合わせて選択するのも良いでしょう。
特徴的な窓
北欧スタイルは、自然光が部屋の中にたくさん入るように大きな窓が設置されています。大きな窓が設置しにくい場合には、窓の配置や個数を増やして工夫するのも一つの方法です。断熱性を高くするために、木製サッシや樹脂製のサッシが多く使われています。白や木製のままのカラーにして、外壁とのカラーバランスを楽しむのも北欧スタイルの窓の特徴です。
玄関まわり
玄関は家の顔となる部分なので、デザインだけでなく質にもこだわりたいもの。木製の玄関ドアが外観デザインにもマッチしやすく、重厚感のあるものがおすすめです。
北欧スタイルの家づくり5つのポイント(内装編)
北欧スタイルの内装も、外観と同様にシンプルなデザインが基本となります。自然を感じる素材感や、明るさや温かみのある空間が家づくりのポイントです。居心地の良い空間や快適な時間を過ごすヒュッゲが、北欧スタイルの家づくりには欠かせません。北欧スタイルの内装で、大切な5つのポイントを解説します。
木の温もりを感じる素材感
木材を使うことで、ナチュラルな雰囲気とぬくもりのある住空間をつくることができます。床材のフローリングは、木目を活かす無垢のものを使用することで、自然な雰囲気が増します。落ち着いた住空間にするため、居心地の良さやリラックスできる空間づくりには最適です。木材は時間が経つごとに素材の変化が表れるため、素材の味を活かすのも北欧スタイルの楽しみと言えるでしょう。
明るい印象のカラー
北欧は寒い時期が長く日照時間が短いので、住空間を明るい印象にする特徴があります。白・グレー・ベージュといった柔らかくて明るい色をベースに、アクセントカラーを取り入れるケースが多いです。白い壁紙の室内に、一面だけカラーを取り入れるだけでも一気に北欧スタイルらしさが出てきます。落ち着いた色合いでも、工夫することでデザイン性を楽しめます。また、白く塗った板張りや漆喰を取り入れることも北欧スタイルの特徴です。
シンプルモダンな家具
北欧スタイルは内装だけでなく、家具もシンプルで素材感のあるモダンなデザインが特徴的です。あたたかみのある木材や、淡い色調を基調とした配色が多く、居心地の良い空間を演出します。無駄を省いたシンプルなフォルムに加え、使いやすさや耐久性が考慮されているため、実用性と美しさを兼ね備えています。また、自然環境へ配慮されたものも多く、エコな製品づくりが支持されています。
北欧デザインの照明
インテリアのアクセントとなる照明器具も、北欧スタイルで大切なポイントです。外から入る自然光と照明とのバランスが考えられ、強い灯りの照明ではなく、柔らかい照明の灯りによって、あたたかみのある空間を演出できます。基本的に、大きな照明や蛍光灯を使うことはありません。小さめのペンダントライトや床置きのフロアランプを間接照明として上手に使うことで、北欧スタイルのインテリアになります。
自然を感じるグリーンを使用
木材などで自然の素材感を大切にする北欧スタイルは、観葉植物などのグリーンが欠かせません。白やアースカラーを基調とした内装に、自然を感じるグリーンが入ることでアクセントカラーにもなります。植物の力は活力があり、空間に癒しを与えてくれます。
北欧スタイルにおすすめしたい間取りのポイント
デザインやカラーリングでも十分に北欧スタイルを実現できますが、間取りに少し工夫をすることでより北欧らしい家づくりができます。おすすめしたい間取りのポイントを解説します。
吹き抜け
吹抜けで天井が高くなると、開放感が出て広く感じます。高い位置からの自然光を取り入れることもでき、室内も明るくできるポイントです。吹抜けによって室内の空気の循環もよくなり、居心地よく過ごせます。
ヌック
北欧スタイルでよく使われるヌック。リビングの一角を、リラックスできるパーソナルスペースとして活用できる場所です。プライベートな時間を過ごしながらも、家族との繋がりを感じられるスペースとなります。
サンルーム
ガラスに囲まれた室内空間のサンルーム。自然光をたっぷりと感じることができるため、室内にいても外を感じることができる空間になります。室内ガーデニングを楽しむイメージで、自然を身近に感じる北欧スタイルにはピッタリです。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。