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2025年の住宅トレンド|スマートホームからサステナブルな暮らしへ

2024年はスマートホームが進化して、最新家電を中心に一般的にも浸透してきました。
利便性の高い生活が身近になったことで、これからも無くてはならない住宅機能の一つと言えるでしょう。
そして、2025年の住宅トレンドは、これまでのスマートホームから、サステナブルな暮らしへと意識がシフトしてきています。
これから住宅購入を検討する人には、スマートホームやサステナブルな住まいとすることが大きなトレンドになりそうです。
長く住み続けることができ、無駄なエネルギーの排出を抑えた住宅が増えることで、環境問題への対策も進みます。
今回は、2025年の住宅トレンドとして、スマートホームのおさらいと、サステナブルな住宅についてご紹介します。

スマートホームの特徴とは?

スマートホームとは、住宅設備や家電製品をインターネットと接続して、機能を最大限に活用した利便性の高い住宅仕様です。具体的な機能と併せてスマートホームの特徴を解説します。

最新家電製品とインターネット環境の接続

照明や掃除機、エアコンなど生活に欠かせない日常家電が、インターネットに接続することで操作はもちろん機能のアップデートを手軽に行えます。スマートホームの大きな特徴でもあるのが、スマートフォンやスマートスピーカーで操作ができること。スマートフォン1台で複数の家電や住宅設備の操作が可能なので、スタイリッシュな生活空間に合うでしょう。

外からでも遠隔操作ができる

スマートフォンから操作可能なのは家の中からだけではありません。家の外からでも操作ができるところも大きなポイントです。例えば、暑い夏や寒い冬に、帰宅前にエアコンを稼働させれば帰ってすぐに快適な室内で過ごせます。

防犯対策の向上

スマートホームは防犯カメラやスマートロックの操作もできるため、防犯対策の向上にも役立ちます。玄関の施錠を外からでも確認できるためカギの締め忘れの心配もなし。最近では、室内でペットの様子が確認できる見守りカメラの人気も高く、外出先でもスマートフォンで室内の様子が見られます。

サステナブルな住宅とは?

2025年はこれまでのスマートホームから、国も推進する「サステナブルな暮らし」に住宅トレンドがシフトしています。サステナブルとは、「維持できる」「持続可能」という意味があり、長期間に渡って人・社会・地球に優しく快適な暮らしができる環境のこと。サステナブルは、世界的に注目されているSDGsの一環で、地球環境を守ることにも繋がっています。サステナブルな暮らしが、どのように住宅に関わっていくのか解説します。

再生可能エネルギー

住宅を建てる資源や生活する上でのエネルギーを抑えることは、サステナブルな暮らしに欠かせないポイントになります。耐久性の高い建築構造は、長く住み続けるための必要条件です。また、太陽光発電や蓄電池を設置することで、電気を自家発電で供給することができ、余った電力は売ることができるメリットもあります。

環境に優しい

サステナブル住宅は、CO2(二酸化炭素)や有害物質の排出を軽減することで、地球温暖化や生態系の保護に役立ちます。木造住宅は、鉄やアルミニウムなどの材料に比べて低炭素のため、環境に優しい省エネ住宅。家を建てる材料によって、長期的に環境への悪影響を抑えられます。

快適な暮らし

断熱性や気密性の高い住宅構造にすることで、外気からの影響を少なくして1年を通して快適な暮らしができます。外気の侵入を防ぎ、夏は涼しく冬はあたたかく過ごせるのがサステナブルな住宅設計の大きな特徴です。エアコンやヒーターの使用を抑えることができ、光熱費の負担軽減にメリットがあります。

サステナブルな暮らしで採用される具体的な住宅仕様

サステナブルな暮らしを意識した住宅には、「ZEH住宅」「認定低炭素住宅」「LCCM住宅」などがあります。省エネかつ耐久性の高さがサステナブルな住宅設計の基本条件です。サステナブルな暮らしで採用される、具体的な住宅仕様について解説します。

太陽光発電+蓄電池

2025年の住宅トレンドとして代表的な設備が「太陽光発電+蓄電システム」。通常の電力は石炭や石油、天然ガスによって作られたものであり、CO2の排出量が多く環境への負担が大きいです。太陽光発電を設置すれば、太陽が出ている限り自宅で電気の供給ができます。電気代の節約にも繋がり、昨今の電気代高騰をカバーできる家計に嬉しいメリットです。また、蓄電システムも合わせて導入することで、昼間に貯めた電気を夜間も使用でき、余った電力は売ることもできます。

高断熱+高気密

家の窓やサッシに隙間があると、外気が入りやすく冷房や暖房で快適な温度にした空気が逃げてしまいます。そして、壁の断熱性が弱いと、外気から室内へ影響を受ける大きな原因にもなります。このような外気の影響を抑えるために、高断熱・高気密であることは、無駄な電気のエネルギーを使わずに快適な住まい環境を維持しやすくなります。

省エネ空調+照明+給湯

空調や照明、給湯などの最新設備を導入することで、エネルギーの負担が少なく有効活用ができます。最新のエアコンは消費電力が少なくても十分に快適な空調管理が可能です。照明はLED電球を使い、給湯機もガス効率の良い高性能なものがあります。その他にも電気自動車のEVバッテリー設備の設置や、雨水貯水の設備などもサステナブル暮らしに取り入れたい設備です。

変化に対応できる間取り

長年住み続けるということは、家族の年齢やライフスタイルにも変化があるものです。その変化に対応できる間取り設計も、サステナブルな生活条件の一つです。可変性のある間取りにするポイントは、壁などの区切りを少なめにしてシンプルにすること。必要に応じて部屋の数や広さを調整できると、長く快適に住み続けることに繋がります。また、メンテナンスのしさすさも長期的に住めるポイントとして欠かせません。

サステナブルな住宅設計で使える補助金制度

サステナブルを表す「カーボンニュートラル」や「SDGs」という言葉を、ニュースやインターネットで目にすることも多いでしょう。世界的な目標を達成するためにも、国が力を入れているため手厚い補助金制度があります。

住宅ローン控除の増額

2023年までは一般住宅も含めて、専有面積や住宅ローン期間などの条件が合えば住宅ローン控除の対象になっていました。しかし現在は、一般住宅では住宅ローン控除の対象にならず、省エネ水準を満たした「低炭素住宅」「長期優良住宅」「ZEH住宅」のみが対象となっています。以下の条件を満たしていると13年間に渡って控除を受けることが可能です。

・自らが住む居住用の住宅であること

・専有面積が50㎡以上

・合計所得金額が2,000万円以上

・住宅ローン借入期間が10年以上

・引越しまたは工事完了から6ヶ月以内に入居すること

住宅建設費の補助金

サステナブルな暮らしを実現する認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEHの住宅を対象に、1戸あたり上限140万円の補助金があります。高品質な木造住宅で活用できる「地域型住宅グリーン化事業」で、初期費用の負担を抑えられることが大きなメリットです。

サステナブルな設備への補助金

太陽光発電や蓄電システムを取り入れたZEH住宅であれば、1戸あたり55万円の補助金を受け取れます。太陽光発電で電気代の負担が軽減できる上に、補助金も受け取ることが可能。ZEH+住宅であれば補助金額が上がり、1戸あたり100万円がもらえます。設備導入に掛かる費用も、補助金によって負担を大きく軽減できるのです。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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