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生活
注文住宅でも起きる!? ご近所トラブルを防ぐ“音・視線・境界”の工夫
せっかく理想のマイホームを建てたのに、ご近所トラブルで「こんなはずじゃなかった・・・」と落ち込んだ。
自分は大丈夫と思っていても、このような声は珍しくありません。
実は、ご近所トラブルは注文住宅でも起こり得る問題であり、何が原因で発生するのか予測がつかないこともあります。
そして、家のデザインや間取り、建築時のちょっとした配慮で防げるトラブルも多いのです。
今回は、ご近所トラブルの対策や住宅設計でできる防止策についてご紹介します。
これから家づくりを検討している方は、住み始めてから後悔しないためにもご活用ください。
目次
ご近所トラブルはなぜ起こる!?よくある8つの事例
ご近所トラブルの原因は、些細なことや気遣いのなさから始まるケースが多く見られます。気が付かないうちに自分が原因を招いてしまう可能性もあるので、よくある事例をチェックしてみましょう。
近隣の境界内にはみ出している
敷地内に設置したフェンスや植木、駐車場の屋根などが、隣家の敷地にわずかに越境してしまうケースがよくあります。「ちょっとなら・・・」と思っていると、数センチの話が後々大きなトラブルに発展する原因にもなりかねません。特に境界線が曖昧な土地では、建築前にしっかりと測量をしておくことをおすすめします。
騒音が起こる
生活音や子どもの遊ぶ声、ピアノの音、犬の鳴き声など、騒音に関するトラブルは特に多い原因の一つです。自分や家族は気にならなくても、夜間のテレビ音や洗濯機の稼働音、電話の声なども、住宅が密集した地域などでは静かな時間帯に響きやすくなります。生活音は自分で気が付かないことも多いため、音を軽減できる間取りの工夫を取り入れてみることもおすすめです。
不快なニオイ
庭でのバーベキューや家庭菜園の肥料、タバコやペットのニオイなど、ニオイに関するトラブルも自分では気が付きにくい問題です。最近では、洗濯物を干す際の柔軟剤の香りも、苦手な人にとっては害と感じるほど。タバコも家の中なら大丈夫と思っていても、換気扇から外にニオイが漏れていることがあります。風向きによっては注意していても隣家に影響が出る可能性があるため、目に見えないものだからこそ気遣いが必要です。
ゴミ出しルール
ゴミの分別や出し方など、地域のルールに沿って行動しないとトラブルに発展することがあります。前に住んでいた街では大丈夫だったとしても、自治体や町内会によってルールは異なります。街の景観にも関わるため、その地域のルールはしっかりと把握しておきましょう。
駐車マナーが悪い
自宅前の道路だからと車をはみ出して駐車したり、来客の車が隣家の前を塞いだりするケースがあります。駐車に関するマナー違反は日常生活の中でストレスにつながりやすいトラブルです。駐車スペースはゆとりを持って設計し、来客時は近隣のコインパーキングの利用なども検討しましょう。
庭の草木や落ち葉の処理
庭木や植物の手入れを怠ると、落ち葉や枝が隣家に飛んで迷惑をかけてしまうこともあります。木の枝だけでなく、土の中の根も注意しなくてはいけません。根が成長し境界を越えてしまうと、将来的に伐採時のトラブルに繋がる可能性もあります。定期的な手入れと、植栽を植える場所にも注意しましょう。
ペットの飼育環境が悪い
犬の鳴き声や糞尿のニオイなど、ペットに関するトラブルも少なくありません。室内でのしつけや防音性の高い建材の使用、ニオイ対策として換気方法や飼育環境を常に清潔に保つことが大切です。
嫌がらせを受けている
感情的な対立から一方的な嫌がらせが生じるケースもニュースなどで見られます。そのような場合、直接的な話し合いはさらなる関係悪化を招いてしまう可能性も否めません。被害内容を記録しておき、必要に応じて自治体や警察へ相談することも検討しましょう。
ご近所トラブルを防ぐ一戸建て住宅の工夫
ご近所トラブルを防ぐための家づくりの工夫もあります。安心して暮らすためにも、住まいの環境づくりは大切です。
音のトラブル対策に「防音・静音室」
楽器や音楽鑑賞が趣味の人、在宅ワークで会議が多い人は、防音・静音仕様の部屋がおすすめです。壁や床に防音材を使用するだけでなく、窓からの音漏れ対策も重要。二重窓や樹脂サッシを採用することで、外への音漏れを抑えられます。
間取りに工夫
音や視線によるストレスを軽減し、隣家への影響を抑えるには、間取りの工夫が必要です。例えば、リビングや寝室など長時間過ごす部屋は、隣家の生活音が伝わりにくい位置に配置すると効果的。また、外構計画も含めて“距離感”を確保すると、近隣トラブルの回避に有効です。子どもやペットがいる場合は、隣家に見えやすいオープンな庭だと不安もあります。中庭であれば安心して遊ぶことができ、採光や通気性も確保できるでしょう。
隣家の窓を避ける
隣家の窓やベランダと向き合ってしまうと、お互いの生活に影響しやすくなります。窓の位置はずらす、または目隠しを設けるなどして視線が通らないよう工夫しましょう。
高すぎる塀は風通しの悪化に
プライバシーを守るために高い塀を設置すると、圧迫感や通気性・採光の悪化を招くことがあります。その影響は隣家にも及ぶため、トラブルの原因になりかねません。高さは1.2〜1.5m程が適度で、植栽などを使って緩やかに仕切る方法もおすすめです。
メンテナンスできるスペースを確保
建物を敷地いっぱいに建ててしまうと、外壁や配管のメンテナンスがしづらくなります。建築基準法上は問題がなくても、隣家との距離が近すぎると心理的な圧迫を感じることも。掃除や点検ができる最小限のスペースを確保しておくと、快適な暮らしを維持しやすくなります。
ご近所トラブルは家づくり以外も注意しよう!
ご近所トラブルを回避するには、建物や間取りの工夫だけでなく、近隣住民や地域の雰囲気などを事前に確認しておくことも安心につながります。
挨拶とコミュニケーション
最も効果的な近隣トラブル防止策は「日頃の挨拶」です。新居に引っ越した際には、できるだけ早めに近隣へ挨拶にうかがいましょう。顔を知ってもらい、家族の雰囲気が伝わることで、多少の生活音についてもお互いに理解し合える関係性を築きやすくなります。
購入前の現地調査
土地選びの際には、土地の条件だけでなく、近隣に住んでいる人の雰囲気やゴミ収集場所の環境などを確認することも大切なポイントです。独特なコミュニティがある場合や、昔からの住人が独自ルールを重視しているケースも考えられます。土地条件以外の現地調査によって、トラブルを事前に回避できることもあるでしょう。
境界線をよく確認する
土地の購入前には、必ず境界線を明確にしておくことが大切です。不動産会社から境界確認書を発行してもらうと安心材料になります。中には境界線が明確でないケースや、相続の場合などで誤った境界線を伝えられていることもあります。正しい情報を基に土地探しの判断をしましょう。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。



