暮らし

個性的なインテリアデザインと心地よい暮らしの関係について

インテリアは、ファッションと同様に個性を表現することができ、美しさや機能性、経済性などさまざまな視点からアイデアを生み出すことができます。今回の記事では、個性的なインテリアデザインのアイデアやトレンド、また、心地よい暮らしとの関係性を解説していきます。

個性的なインテリアデザインのアイデア

.素材や色彩を活かしたデザイン

インテリアデザインにおいて、素材や色彩は統一感やまとまりをつくる要素になります。個性を表現したいのであれば、どのように素材や色彩を活かすのかが重要です。まず素材を活かすためには、素材の特徴を理解しなければなりません。インテリアで用いられる素材には、木材、石、布、プラスチックなどがあります。木材は、温もりのある見た目と触り心地の良い滑らかさがあり、人に癒やしをもたらします。また機能面では断熱性や調湿性に優れていることが特徴です。
石は無骨で冷たい雰囲気を持つ見た目ではありますが、それが重厚感や高級感をつくり出します。触り心地は固く、簡単に傷つかないので床や壁にも適しています。そのような点を踏まえて素材の選定をしていくのですが、素材を選ぶ基準となるのはインテリアデザインのコンセプトです。例えば、北欧風のシンプルかつ温かみのある空間にしたいのであれば、使う素材は木材を中心にすると良いでしょう。

続いて色彩ですが、インテリアの色を同系統の色で合わせていけば空間に統一感が生まれます。インテリアデザインのコンセプトに合う色を選びましょう。明るい空間を演出するのであれば、赤やオレンジなど暖色系と呼ばれる色が適しています。逆に涼しげな空間にしたいのであれば、水色など寒色系と呼ばれる色で統一させましょう。バランスの良い空間を目指すときには緑や紫などの中間色、あるいは黒・白・グレーの無彩色でまとめれば理想的な仕上がりとなります。

ユニークな形状を取り入れたデザイン

既成のデザインからかけ離れたユニークな形状を持つインテリアがあれば、個性的なインテリアデザインをつくりやすくなります。例えば、テーブルは丸や四角の天板にまっすぐ伸びた脚がついているというのが一般的な形状ですが、天板が三角であったり脚が途中で折れ曲がっていたりすればユニークな形状を持つインテリアと言えるでしょう。他にも、建物のデザインにユニークな形状を取り入れるべく、階段にモダニズム曲線を採用して視覚的な魅力を高めると言う手法もあります。そのようなユニークな形状を持つデザインは、空間に適度な刺激をもたらすスパイスとなって住む人に楽しさや新鮮さをもたらしてくれそうです。

機能性や実用性を兼ね備えたデザイン

機能性や実用性を考えていないインテリアの場合、人は長くその空間に留まれなくなるもの。機能性や実用性も兼ね備えたデザインにすることが、個性的なインテリアデザインを考える上で大切です。例えば、壁面にオシャレなオープンシェルフを設置すれば、日常生活でよく使うものを手軽に収納できます。扉がないので気軽に取り出せますし、通気性に優れているのでカビが生えにくいなどが機能的・実用的な点として挙げられます。収納したものがすべて見える状態になるため、整理整頓を心がけていれば、オープンシェルフだけでなく収納してあるものもインテリアの一部となるでしょう。
また、機能性や実用性を考える際には使う人にあわせた調整も必要です。身長が低い人が使うのであれば、テーブルや椅子の高さを低くしたほうが使いやすいですし、高齢者が使うことを考えれば身体機能の衰えに対応できるインテリアが適しています。障がいを持つ人が使う可能性があれば、ユニバーサルデザインの知識も必要になるでしょう。インテリアデザインにおいては、あらゆる人が使うことを想像できる力を求められます。

個性的なインテリアデザインのトレンド

自然素材を活かしたインテリア

個性的なインテリアデザインのトレンドでは、自然素材を活かしたインテリアが人気です。パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスを使う日々の中で、人の心と身体に疲れをもたらします。インテリアに自然素材を用いることで、人工物から切り離されたリラックスできる空間に仕上げることができるでしょう。また、酷暑や豪雨など地球温暖化の影響による異常気象も年々増えています。そのような状況において、環境に負荷のかかりにくい自然素材が好まれるという背景もあります。

サステナビリティを意識したインテリア

サステナビリティを意識したインテリアも、個性的なインテリアのトレンドです。サステナビリティとは、地球の将来のために経済・社会・環境を考えた行動をとることを意味します。インテリアにおける例として、廃材をリサイクルしたり、手軽に修理・交換できるような仕様にしたりすることでゴミの排出量を減らせます。そのようなサステナビリティを意識したインテリアとは何かを考えるためには、長期的な視点が必要です。今だけでなく将来を見据えたインテリア選びはいかがでしょうか。

機能性や実用性を重視したインテリア

インテリアは、デザイン性を重視したものから、機能性や実用性を重視したものへと流行が移り変わっています。このトレンドは、優れたデザインへの憧れを持つ人が減った、コストパフォーマンスを重視する人が増えた、など人々の価値化が変わってきていることが影響していると考えられます。具体的に機能性や実用性を重視したインテリアとして、例えば、天井と床に柱を固定させるシェルフもその一つ。自由に設置する場所を変えられるシェルフは、収納だけでなく部屋と部屋の間仕切りとしても使えるでしょう。

インテリアと心地よい暮らしの関係

美的感覚を満たし、心を満たしてくれる

個性的なインテリアデザインは、その室内空間で暮らす人の美的感覚を満たします。美的感覚が満たされたら、心も満たされます。心が満たされた状態では、日々の生活で大きな不満を抱くことも少なくなるでしょう。心が満たされたら、心身が健康的になるだけでなく、家庭環境や社会生活も良好な状態を維持しやすくなりそうです。このように個性的なインテリアデザインは、巡り巡って心地よい暮らしをその室内空間で生活する人にもたらしてくれるのです。


機能性や実用性によって、暮らしを快適にしてくれる

個性的なインテリアデザインを考える上で、機能性や実用性は重要なポイント。機能性や実用性を高めることは快適な暮らしに結びつきます。例えば、必要なものを簡単に取れる収納にする、自由に動かせる家具にしてライフスタイルの変化に合わせて配置を変えられる、といったことです。一つ一つは些細なことでも、積み重ねで時間の余裕をつくりやすくなるでしょう。

ここで注意しなければならないのは、機能性や実用性の高いインテリアの数を揃えれば良いというものではありません。便利なインテリアも、数が多すぎると雑然とした室内空間をつくりだす可能性があります。適度に取り入れるようにして心地よい暮らしを目指したいですね。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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