家づくり

結婚と同時に家を買う場合のメリット・デメリットとは?

新居を購入するタイミングは人それぞれで、ライフスタイルの変化によって左右されるケースが多いでしょう。
住宅ローンを組む年齢や、子どもができて家族が増えたとき、資産を意識したときなどがありますが、新居購入のタイミングの大きな理由の一つに「結婚したとき」があります。
結婚を機に将来設計や資産を意識することが新居購入を考えるはじまりなのかもしれませんね。
今回は、結婚と同時期に家を買うメリット・デメリットについてお伝えします。

結婚と同時に新居購入のメリット

結婚をするタイミングで、賃貸に住む人もいれば、家を購入する人もいます。もちろん、どちらが正解ということはありませんが、結婚をきっかけに早めに新居購入をすることのメリットを解説します。

ローン期間を少しでも長くできる

新居を購入する場合、多くの人が住宅ローンを利用することになるでしょう。住宅ローンは、年齢が若ければ借入期間を長く設定することが可能です。35年の住宅ローン期間とした場合、65歳の定年までに払い終えるとすると30歳から住宅ローンを組むことになります。金融機関は完済時の年齢上限を80歳未満としているケースが多いですが、定年以降までローンの支払いが続くことは現実的ではありません。例えば、5,000万円の住宅ローンを35年で返済するのと、25年で返済するのとでは、毎月の返済負担が大きく変わります。結婚と同時に新居購入をすれば、少しでも長くローンの借入ができ、少しでも若いうちに返済することが可能となります。

資産形成ができる

住宅は資産になるため、結婚と同時であれば若い内に夫婦の資産を持つことができます。結婚後、賃貸住宅に住むケースも多いですが、家賃をいくら払っても自分のものにはなりません。新居を購入すれば、早いうちから資産形成をしていることに繋がります。住宅ローン完済後は、ローンの返済なくその家に住むことができ、現金化することや賃貸経営も選択肢の一つとなります。

リフォーム・リノベーションができる

結婚後はライフスタイルが変わりやすくなるタイミングです。賃貸マンションだと、好みに合わせてリフォームやリノベーションをすることができません。新居を分譲で購入すれば、リフォームやリノベーションは、規約を守れば自分たちの好みに合わせて行えます。家族構成が変われば間取りの変更もでき、デザインを変えて生活空間を楽しむこともできます。

結婚と同時に新居購入のデメリット

結婚と同時に家を買うメリットとは反対に、家を買うことによってデメリットもあります。新居の購入は高額の買い物ですから計画的に進めるようにしましょう。

初期費用がかかる

新居購入の際には、まとまった初期費用が必要になります。数百万の費用になるため、賃貸の初期費用よりも大きな金額が必要です。結婚のタイミングは、いろいろと出費が重なることも多いので、特に若い夫婦の場合には十分な貯蓄をして結婚ということは難しいもの。新居の購入に合わせて計画的に貯蓄することをおすすめします。


簡単に住み替えがしにくい

 

新居を購入すると、賃貸のように簡単に引っ越すなどの住み替えがしにくくなります。分譲で購入した場合、基本的には物件の売却が決まってから、次の新居に引っ越すケースが一般的です。すぐに売却ができるとは限らず、長ければ半年から1年掛かることも珍しくはありません。購入だけでなく、売却の際も計画をして準備することが大切です。

 

資金計画や将来設計がしにくい

結婚後の新生活では、毎月どれくらいの支出があって、どれくらい貯金できるかというような見通しがつきにくい段階です。日常生活の見通しがついていないと、資金計画や将来設計が立てにくいので、新居購入でまとった初期費用や長期的なローンを組むことは負担が大きくなる可能性があります。新居購入のときは、資金計画をしっかり立てて進めるようにしましょう。

新居購入の前に決めておくべきこと

新居購入を検討するときには、事前に決めておくべきポイントがいくつかあります。なんとなく進めてしまうと後悔してしまうこともあるので、夫婦で話し合って選択肢の基準を決めておきましょう。

予算

新居購入で何よりも大切なのが「予算」を決めておくことです。トータルの予算や住宅ローンの返済をイメージして、無理のない予算を決めることが物件探しのスタートになります。住宅ローンの組み方も、どちらか一人の名義でローンを組むのか、2人の共同名義にするのかによっても変わってくるでしょう。短期的な目線ではなく、長期的なシミュレーションをした上で予算を決めることが大切です。

将来を想定した間取り

結婚後、将来的に子どもが何人欲しいのか、子どもが独立後に売却を考えるのか等、家族構成やライフスタイルの変化を想定してみましょう。〇〇のときには2LDKが良い、〇〇のときには3LDKが良いなど、将来的な生活をイメージしながら間取りや面積を考えると良いです。

立地選定

立地の決め方も、新居探しの重要なポイントです。立地によって仕事や暮らしの利便性が変わってきます。また、予算も立地によって大きく左右されるため、幅を持って立地の候補がいくつかあると進めやすいでしょう。

重視するポイント

新居を探す上で、予算や立地、間取り、面積など考えるべきポイントがいくつもあります。すべてをベストな選択に当てはめようとするのは、なかなか簡単なことではありません。そのような場合は、いくつもある項目の中で重視する優先順位を決めておくと良いでしょう。優先順位を決めておくと、悩んで行き詰ってしまうことを軽減できます。

新居購入で失敗しないためのポイント

新居購入のときは、失敗しないために事前の備えも大切です。失敗しない対策ポイントをご紹介します。

資金計画を立てる

新居購入は資金計画が何よりも大切です。人生で1番と言えるくらい大きな買い物なので、初期費用や住宅ローンの返済など、資金計画やシミュレーションが欠かせません。住宅ローンのシミュレーションは、最悪のケースを想定して考えるとよいでしょう。

スケジュール管理をする

新居購入の初期費用を貯める場合、期限を決めずになんとなくで始めても簡単には貯まりません。ある程度「いつまでにいくら貯める」という期限を設けてスケジュール管理をするようにしましょう。

将来をイメージする

新居を購入したら簡単に住み替えることができません。長期的な生活や家族構成をイメージして、住宅の面積や間取りを検討することが大切です。

決して急がないこと

住宅を決める際に焦って進めても良いことはありません。予算や立地、間取りなどをしっかり決めていたとしても、急いでしまうと計画がブレてしまうことも。人生に何度とない大きな買い物ですから、焦って急ぐことなく落ち着いて進めることを心がけましょう。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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