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シューズクロークの間取りを考えよう!シューズクロークの賢い使い方について

シューズクローク(シューズクローゼット)は、玄関付近に設ける大型収納スペースのこと。
玄関まわりがスッキリと整理整頓されるため、新築やリノベーション時に設置を検討される方も多いです。
しかし、単純に玄関スペースの一部をシューズクロークにする考えだと、動線が悪くなってしまうことや無駄にスペースを使ってしまうこともあるでしょう。
収納量や形状、棚の配置などで使い勝手は変わってきますので、今回は、シューズクロークの利便性を活かすためのポイントをご紹介します。

シューズクロークの種類

シューズクロークは玄関付近の大型収納であり、玄関と繋がっているので靴を履いたまま土足で出入りができる収納スペース。そのため、ベビーカーや子ども用自転車、スポーツ用品やアウトドアグッズ、趣味の道具など外で使う物なども仕舞える便利な場所になります。そんな頼もしい収納力のシューズクロークがあると、いつも玄関をスッキリと保てるでしょう。シューズクロークには大きく分けて「ウォークインタイプ」と「ウォークスルータイプ」の2種類があり、収納量や使い方によってスタイルが変わります。

ウォークインタイプ

ウォークインタイプの特徴は、通常の玄関スペースにもう1部屋を加えたような形状であること。シューズクロークの出入口は1箇所のみで、壁面が多いため収納スペースを最大限に活かすことが可能です。床面積に対して収納量が多く、スペースが多くとれない方におすすめのタイプと言えるでしょう。ベビーカーなど大きめのアイテムも収納しやすいのがウォークインタイプです。

ウォークスルータイプ

一方のウォークスルータイプは、出入口が2箇所あり、玄関からシューズクロークに入ってそのまま室内に通り抜けられることが特徴。通路となる動線上に収納スペースがあるため、物の出し入れがスムーズに行えます。靴をディスプレイとして並べてみるなど、インテリア性も高い収納タイプと言えるでしょう。ただし、通路としても考えなくてはいけないので動線上に物は置けません。そのため床面積に対して収納効率が落ち、ある程度の広さが必要となります。デザイン性を重視し、スペースの確保や収納力が合っている方にはおすすめです。“家族用の玄関”として、来客用の動線と分けて使うことも魅力の一つでしょう。

ウォークインタイプはこんな方におすすめ

ウォークインタイプは基本的に収納力を重視します。

・靴を多く持っている、ブーツなどの種類も多い

・ベビーカーや子どもの自転車、スポーツ用品など大きめの荷物がある

・アウトドア用品や工具など外で使うものが多い

・シューズクロークのスペースを広くとれない

ウォークインタイプには日常使いするものではない靴を仕舞い、日常よく使うものは玄関に設置のシューズボックスを利用するのもスムーズでしょう。

ウォークスルータイプはこんな方におすすめ

ウォークスルータイプはそのまま室内まで繋がるので、動線のスムーズさを重視します。

・効率的な生活動線と収納を両立したい

・片付けや整理整頓が苦手な方

1箇所で外出・帰宅の作業をまとめたい

・余裕をもってシューズクロークのスペースを確保できる

ウォークスルータイプは、現代的なライフスタイルの印象が強く、出かけるときにウォークスルー内で靴を選んで、バッグを持って、コートを羽織って、車のキーを持って玄関を出る…というような一連の行動が可能。帰宅後も決まった場所にスムーズに物を戻せて、効率よく生活できるイメージです。

シューズクロークの配置

シューズクロークの種類が決まったら、棚の配置を考える必要があります。大きく分けてⅠ型、Ⅱ型、L型、U型の4タイプがあり、収納量やスペースの広さによって変わります。

Ⅰ型

Ⅰ型とは、1つの壁面に収納棚が設けられているタイプです。ウォークインタイプに取り入れやすい配置で、収納量が少ない方はⅠ型でも十分でしょう。

Ⅱ型

Ⅱ型とは、Ⅰ型の収納棚が2つの壁に平行して付いているタイプです。Ⅰ型よりも倍ほどの収納力となりますが、棚が並んでいる部分は動線となるため物を置かないようにしましょう。

L型

L型とは、接している2つの壁面にL字で収納棚がついているタイプです壁面の形状によっては、L型にすることで収納力を上げることができます。

U型

U型とは、壁面3箇所を利用し、収納棚に囲まれるようなタイプです。ウォークインタイプで採用されることの多いU型は、収納力を最大限に活かすことができます。

シューズクロークをつくる際に気を付けたいポイント

シューズクロークをつくる際には、事前に決めておくべきことや気を付けたいポイントがあります。種類や間取りが大きくライフスタイルに影響するため、「こんなはずじゃなかった…!」とならないためにもよくイメージして考えましょう。

収納内容と容量

シューズクロークは、主に靴を収納する場所ですが、どんな靴を収納するかを最初に整理しましょう。スニーカーや革靴、サンダルなどは、ほぼ同等のスペースを使用しますが、ブーツや長靴となると収納形状が変わってきます。その他には、ベビーカーや傘、子どもの遊び道具、スポーツ用品、防災グッズなどを仕舞う想定をするのであれば、限られたスペースでの収納や配置に工夫が必要です。ウォークインやウォークスルーの選び方にも影響があるので、よく考えましょう。

必要な広さ

収納する物を想定できたら、必要なスペースの広さをイメージしてみましょう。広すぎず狭すぎず、我が家にとって適正なスペース、を考えます。収納力が足らず、結局玄関に物があふれてしまっては意味がありませんし、反対に、広く取りすぎてスペースが余ってしまうのももったいないこと。収納量と使いやすさのバランスを見て、適正な広さにすることがポイントです。

動線やドアの確認

いざシューズクロークをつくってみたものの、動線に不満を感じる方も多いもの。動線が悪いと使い勝手が悪くなってしまい、ストレスを感じる原因になります。また、ドアをつける場合には、ドアを開けるときのドアの動きにも注意しましょう。物が邪魔になってドアが開けづらいと、使いにくいシューズクロークになってしまいます。ドアのスタイルも、オープン、引き戸、折れ戸などさまざまで、隠すだけならロールスクリーンでもよいでしょう。

ニオイ・湿気対策

シューズクロークを閉めた状態だと、ニオイがこもりやすく湿気も多くなりがち。消臭剤や除湿剤を置くもの方法ですが、できれば窓や換気口があると良いでしょう。難しい場合は、消臭や調湿効果のある珪藻土やエコカラットなどの採用も方法です。

コンセントの有無

玄関付近にコンセントがあると、家電の使用や充電に便利なのでおすすめです。電動自転車のバッテリーやアウトドア用品、DIY工具など、外で使うものの充電がシューズクロークでできると室内を汚さずに便利。シューズ乾燥機などを使う際もコンセントがあるとその場で使えるので使い勝手が良いです。収納の邪魔にならない場所へのコンセント設置も検討してはいかがでしょうか。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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