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もしもの時に備えよう!震災時の防災グッズについて

地震の多い日本では、いつ、どこで、どんな時に大きな地震が発生するかわかりません。万が一の災害時に身を守るためには、備えと準備が必要です。「大丈夫だろう」「なんとかなるだろう」ではなく、もしもの時に備えて防災グッズを準備しておきましょう。今回は、必要な防災グッズ、収納方法や家の中でできる対策をご紹介します。

防災グッズは備蓄と持ち歩き用が必須

震災にあうタイミングは、自宅にいる場合もあれば外出しているときもあります。家の中だけは万全の対策とは言えないので、それぞれのケースに合わせて必要となる防災グッズを揃えましょう。

備蓄用

基本的な防災アイテムとして、ヘルメットや消火器、救護用品などが挙げられますが、それとは別に、被災してもなるべく不便なく過ごせるようにする備蓄が必要です。備蓄用は、万が一に備えて家に保管しておくもので、避難場所へ持ち出せるものも含まれます。インフラの復旧や救護体制が整うであろう3日間程度を、できるだけ不便なく過ごせる量の準備がポイントです。

飲料水

飲料水は、13リットルを目安に3日分用意しましょう。飲料水は飲むためのものと調理で使う用途があります。断水時はトイレで水を流せない場合あるので、飲料水を使わないで済むように非常用簡易トイレを準備しておきましょう。水は貴重なので、必ず備蓄として保管して無駄に使わないようにします。

食料

温めて食べられるご飯、災害時用のパン、乾物、缶詰、乾燥麺類、お菓子など、13食、35日分を目安に用意しておきましょう。食料品は常に消費期限が長いものや、常温保存できるものは多めに備蓄しておくと安心です。レトルト食品やカップ麺など、温めて美味しく食べられるものがおすすめ。
また、ビタミン不足に備えて缶詰のフルーツがあるとより良いです。高齢者がいる場合には、レトルトのおかゆを準備するなど、家族の特性に合わせて幅広く備えておきましょう。消費期限が長い商品でも、いずれは期限が過ぎてしまいます。無駄にならないよう、ある程度期間がきたら食べるようにして「ローリングストック」を心掛けることがポイントです。

バッテリー・照明器具

スマートフォンや小さな家電製品であれば、小型のバッテリーがあれば充電や稼働させることができます。モバイルバッテリーだけでなく、容量の多い小型バッテリーがあると安心感があるでしょう。扇風機やヒーターなどが使える大容量バッテリーもあるので、バッテリー選びも大切です。
また、ラジオやLEDライト、ランタンなどが使える災害用ラジオも防災グッズの必需品です。

カセットコンロ

災害時はガスや電気が止まってしまうことが想定されます。カセットコンロがあれば、お湯を沸かすことができ調理もできます。温かいものが食べられると精神的にもホッとできるでしょう。

衛生用品・生理用品

ティッシュやトイレットペーパーなどの衛生用品も、多めのストックをおすすめします。生理用品は災害時に手に入りにくいので、忘れずに用意しておきましょう。

現金

停電になると電子マネーやクレジットカードが使えなくなります。
また、ATMも使えなくなるので、現金は常に少し持っておくと安心です。電気が復旧しても、現金しか使えないケースもあるので気を付けましょう。

持ち歩き用

地震が起きるタイミングが、通勤・通学時やお出かけ時かもしれません。多くのものは持ち歩けませんが、意識しておく心構えが大切です。

飲料水

外出時は500ml相当の飲み物を持ち歩くと良いでしょう。災害時に限らず、電車が止まって車内に閉じ込められてしまったときなども役立ちます。

食べ物

飴や簡単に食べられるお菓子を持っているだけでも、被災時の状況に違いがあります。小さめのお菓子で荷物の邪魔にならないものを選びましょう。

救護用品・衛生用品・生理用品

小さめのティッシュや絆創膏、生理用品を少しだけでも持ち歩きましょう。マスクや消毒液、ウェットティッシュもあると良いです。

防災グッズの収納方法

防災グッズを準備したものの、収納方法を間違うとせっかく用意したものを活かせません。ポイントは、迷わず取り出せること。防災グッズの適した収納方法をお伝えします。

パントリーや収納スペース

備蓄品はわかりやすく保管することが重要なため、大きめのパントリーがあると管理しやすいでしょう。収納の際は、消費期限がわかるように、古いものが前に来るよう保管します。常に「ローリングストック」を心掛けて、無駄にしないようにしましょう。
また、震災時に物が倒れるなどでパントリーに入れないケースも考えられます。そのようなときのために、庭の物置やガレージなどにも備蓄品が置けるとより安心です。

玄関

地震のときは急いで家を出ることもあるでしょう。防災バッグのような持ち出し品やヘルメットは、玄関の収納スペースに保管します。その他、持ち出して使う防災グッズがあれば、なるべく玄関の収納にまとめておくと忘れずに持ち出せます。

寝室(枕元)

睡眠時に急な対応ができるよう、スマートフォンや防災リュックはベッド付近に置きます。スマートフォンは連絡手段や情報源として欠かせません。急に起きていろいろ考えて行動することは難しいものです。玄関にもあるから安心という訳ではなく、寝室用の防災グッズとして準備しておきましょう。

地震に備えて家の中を見直そう

家の中は地震に備えた対策がされていますか?地震時はいつも愛用している棚や置物が凶器となることも考えられます。対策をしているか否かで、その後のケガなどのリスクに関わってくるため、家の中の対策も定期的に見直しましょう。

転倒防止

食器棚や冷蔵庫などが転倒してこないように、突っ張り棒やL字金具留め、ベルト固定などで倒れないようにしておきましょう。食器棚が倒れると、中に入っている食器まで飛んでくるので、割れた破片などでケガのリスクが一気に高まります。食器を置いている棚にも、滑り止めシートなどを敷いておくと良いでしょう。ホームセンターなどでは耐震マットなど幅広い転倒防止グッズが揃っています。

割れやすいもの

ガラスの照明、食器棚のガラス、窓ガラスなど割れて飛散してしまう恐れがあるので、飛散防止フィルムを貼る対策ができます。吊り下げ式の照明は大きく揺れて危ないので、揺れにくい対策をしたり違うタイプの照明を検討してはいかがでしょうか。

家具の配置

家具の配置も防災対策に大切なポイントです。例えば、棚の配置場所によって、下敷きになってしまったりドアが開かなくなってしまう場合があります。棚は幅の長さが長い方が倒れやすくなります。ドアの近くには、なるべく大きな棚など家具は置かないようにしましょう。

落下防止

吊り下げ式の照明器具や置物がある場合は、落下に気を付けなくてはいけません。ガラスや陶器の場合は、割れてケガをしてしまう原因になります。置き場所や補強などをして対策しましょう。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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