暮らし

初心者向けDIY講座(工具の選び方・安全な作業法)について

自分で好きなインテリアや家具をつくるDIY(Do it yourself)。
好みのデザインや素材、好きな色の家具や小物を作って、DIYを楽しんでいる人も多いのでは?
デザインの自由度が高く、費用を抑えられることからメリットも多く、テレビや雑誌でもよく取り上げられるほど一般的に広まっています。
しかし、「DIYをしてみたいけど、何から始めたら良いかわからない」という初心者もいらっしゃるでしょう。
今回は、これからDIYを始めたいという人に向けて、工具の選び方や安全な作業方法についてご紹介します。

初心者におすすめのDIY工具と選び方

DIYを始めるには、必要最低限の工具を揃えることから始めます。1つの工具にもさまざまな種類が販売されており、どれを選べばよいか迷ってしまう人も少なくありません。DIY初心者に欠かせない工具と、その選び方のポイントを解説します。

電動ドライバー

DIYをする際には、手動のドライバーよりも電動ドライバーを用意しましょう。ボタンひとつでネジ締めができるため、時間と労力を短縮できて効率的です。電動ドライバーのセットには、穴あけ用のドリル機能がついているものもあります。1台で複数の用途に使えると、工具を増やすことなく作業の手間も省けるのでおすすめです。

ノコギリ(電動・手動)

木材のカットはDIYに欠かせない作業です。ノコギリには「電動タイプ」と「手動タイプ(手ノコ)」があります。電動ノコギリの方がラクに作業できますが、初心者はまず手ノコから始めてもよいでしょう。ただし、手ノコはある程度の力が必要で、うまくカットできないこともあります。綺麗に切るためには、「ソーガイド」などの補助器具を使うと、作業がしやすくなります。

ヤスリ

木材をカットした後は、ヤスリで切断面を整えます。ヤスリがけをしないと表面がザラザラしてしまい、塗料が綺麗に塗れないことがあります。仕上がりを左右する重要なポイントでもあるので、必ず用意しておきましょう。ヤスリには粗さの違いがあり、数字が小さいほど目が粗く、大きいほど目が細かくなります。最低でも「粗目」と「細目」の2種類を揃えておくことをおすすめします。まず粗い目のヤスリで大まかに整え、仕上げに細かい目のヤスリで表面を滑らかにします。

クランプ

クランプは、木材を固定するための工具。あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、DIYでは欠かせないアイテムです。木材のカットや接着をする際にしっかりと固定できるため、特に1人で作業をする場合には助かります。クランプがあることで真っ直ぐに木材がカットできるなど、作業の安定感が増し、ストレスも失敗も少なくなります。

安全にDIYをするポイント

DIYは楽しい作業ですが、正しい方法で行わなければ大きなケガにつながることも。安全にDIYをするために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

安全用具の準備

安全に作業をするために、薄手の手袋や保護メガネを着用しましょう。軍手は厚みがあって作業がしにくく、巻き込みの危険もあるため避けた方が良さそうです。滑り止め付きで、余りが出ないジャストサイズの手袋を選びましょう。また、木材を切る際には木くずが飛ぶので、目を守るためにも保護メガネがあると安心です。髪の長い人は、万が一の巻き込み事故がないよう髪をまとめて作業しましょう。

工具の取り扱い

電動ノコギリや電動ドライバーなどの電動工具は便利ですが、使い慣れていないと危険な場面もあります。正しい使い方を確認し、慎重に取り扱いましょう。電動工具の取り扱いで特に気を付けたい点は以下です。

・使わないときは電源を抜く

・刃の交換時は電源がオフであることを確認する

・ネジ締め時は手袋を外す

・ネジ締めやクギ打ちは焦らず慎重に作業を進める

・作業場を整理整頓して誤作動を防ぐ

ついつい忘れてしまいがちなこともありますが、小さな油断が思わぬ事故を引き起こすこともあるので気を付けましょう。

安全な作業場所の確保

狭い空間や暗い空間、不安定な場所での作業は避けましょう。特に不安定な場所では綺麗に木材をカットすることもできませんし、工具も正しく使いにくいです。木材のカットをするときに、片手で材料を押さえ、もう片手で工具を使うのは非常に危険です。安定してカットができず、工具の力で材料を押さえ切れず浮いてしまいます。何よりもケガを起こしやすい事例の一つですから、必ず平らな場所で、クランプなどを使ってしっかり固定したうえで作業しましょう。また、作業スペースは広めに確保し、子どもやペットが入ってこない環境で行うのが理想的です。

DIYをする手順

家具や小物を作るときの基本的なDIYの手順をご紹介します。流れを把握しておくことは、失敗を防ぐことにもつながります。

①設計図を作成

DIYするものを決めたら、まず設計図を描きましょう。寸法がずれていると、棚が傾いたり、隙間ができたりしてしまいます。真上や真横から見た平面図に加えて、立体図もあると全体の構造がわかりやすくなります。収納棚などを作る場合は、中に入れる物のサイズを事前に測っておきましょう。

②必要な材料を揃える

設計図ができたら、必要な材料を書き出しましょう。寸法、枚数、材質などをチェックし、最適な材料を選びましょう。木材は種類も多いので、用途に合ったものを調べておくと安心です。

③材料をカット

工具があれば自宅でもカットできますが、工具が無い場合はホームセンターのレンタルスペースを利用するのも良いでしょう。中にはDIY教室を併設している店舗もあり、専門スタッフに相談しながら作業できる場合もあるのでDIY初心者にはおすすめです。

④ヤスリで整える

カット木材の断面は、ヤスリで丁寧に整えます。ザラザラした面やトゲを取り除き、手触りの良い状態に仕上げましょう。断面が整っていれば、後の工程の塗装も綺麗に色が乗りやすいです。

⑤塗装

塗装はDIYの中でも、自分好みのデザインを表現できる楽しい工程です。組み立てた後だと塗りにくい部分や色が混ざってしまう失敗もしやすいので、組み立て前に塗装を済ませておくと良いでしょう。塗装後にニスやワックスを塗ると、ツヤが出てワンランク上の仕上がりになります。キャスターや取っ手などの金具を取り付ける場合は、組み立ての前にまず塗装を済ませ、その後で取り付けておくと作業がしやすく、仕上がりもきれいになります。

⑥組み立て

最後の組み立ては、釘打ち、ネジ締め、接着などで固定していきます。釘やネジの頭が見えてしまうと見た目が悪くなることがあるので、隠しシールや隠しビスで処理するのがおすすめです。ちょっとした工夫で、仕上がりの良さが大きく変わってきます。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

他の記事を読む