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今さら聞けない!住宅ローンの基本と選び方

「初めての住宅ローンで詳しく聞きたいけど、なかなか聞けない・・・」
「お金のことだから友人にも聞きづらい・・・」と悩んでいる人は少なくありません。
住宅ローンは、一般的に大きな金額の契約であり、長期間に渡って返済が続くものなので、知識がないまま進めてしまうことは危険です。
毎月の家計に関わることで専門的な内容になるため、正しい情報から住宅ローンの知識を身に付けていきましょう。
今回は、住宅ローンの基本知識から選び方まで、わかりやすくご紹介します。

住宅ローンの基本知識

住宅ローンは、基本知識が1番大切なポイントです。基本知識を誤って覚えてしまうと、後々の住宅ローンの選び方や返済シミュレーションなどの判断で失敗してしまう恐れがあります。住宅ローンの仕組みから返済に関わることまで解説します。

住宅ローンの仕組み

住宅ローンとは、「契約者本人が住むため」の住宅購入費用に利用するローンです。間違えやすいポイントとしては、不動産投資や別荘の購入には利用できず、その場合は投資ローンという別種類のローンになります。住宅ローンは、本人が住む家であれば新築・中古の物件に関わらず、リフォームでも契約することが可能です。住宅ローンを行っている借入先は、大手のメガバンクや地方銀行などの金融機関、住宅支援機構、住宅ローン専門会社があります。住宅ローンは高額な借入額と長期的な契約になることが多いため、借入先ごとに厳しい審査が設けられています。

住宅ローンの金利

住宅ローンの返済には金利が発生します。金利とは、借りる金額に対して掛かる利息の割合で、借入先によって金利が、もしくは金利の数値が異なります。仮に2,000万円の住宅ローンを契約して30年で返済する場合、返済総額は2,000万円+利息です。そのため、金利の選び方は重要であり、金利のタイプには3つの種類があります。

①固定金利(契約から完済まで金利が変わらない)

②変動金利(経済状況によって金利が変わる)

③固定金利期間選択型(一定期間を固定とし、その後金利の選択が可能)

①  固定金利は金利の変動リスクがない分、②変動金利よりも高い金利設定がされています。

②変動金利はリスクがあるため金利が低く設定されていますが、金利が上がってしまう可能性や下がる可能性もあり、将来的な推移までは予知することはできません。

③固定金利期間選択型は、固定と変動の良いとこ取りをしたパターンです。例えば、最初の10年を固定金利とし、その後を変動金利にできます。金利は、住宅ローンのプラン選びに関わる大切な知識なのでよく覚えておきましょう。

住宅ローンの返済

住宅ローンの返済には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。元利均等返済とは、毎月の返済額が変わらないように、借りた元金と利息部分を一定にする方法です。デメリットは、返済の前半は利息に対する割合が多いため、元金が減りにくい特徴があります。一方、元金均等返済は、借りた元金を返済期間で均一に割り、利息部分はその時の残金に合わせて算出される方法です。残金の多い前半部分は利息額が多くなりますが、返済が進むと共に利息が減っていきます。どちらもメリット・デメリットがあるので、返済計画の立てやすさに合った選択を判断しましょう。

住宅ローンを契約する手順

住宅ローンを契約する流れは、審査や手続きなど、不動産購入と同時進行で進めていきます。焦らずに落ち着いて対応するためにも、手順を把握してイメージしておくことが大切です。住宅ローンの手順は、大きく分けて以下の5段階になります。

1.情報収集・シミュレーション

2.物件の申し込み・事前審査(仮審査)

3.物件の本契約・正式申し込み

4.住宅ローンの本審査・契約手続き

5.物件購入の残金決済・融資実行

それぞれのポイントごとに解説します。

1.情報収集・シミュレーション

物件を探し始めると同時に、「自分がいくらくらいまで住宅ローンを組めるか」というシミュレーションをします。物件探しの基準にもなるので、「家を買おう」と思った段階で調べておくことがおすすめです。住宅ローンの借入可能額は、主に年齢、職業、年収、勤続年数、信用度調査、健康状態、物件評価などによって決まってくるため、事前に情報収集をしておくとスムーズです。借入先によって金利や借入可能額にも差が出てきます。金融機関のサイトで、住宅ローンの借入額をシミュレーションできるサービスもありますので、自分の条件を当てはめて調べてみると良いでしょう。

2.物件の申し込み・事前審査(仮審査)

気になる物件が見つかったら購入の申し込みをしますが、同時に住宅の事前審査(仮審査)を申し込みます。購入の希望をしても、住宅ローンが通らなければ購入できないので、早い段階で審査を進めなくてはいけません。場合によっては金利が%なら融資可能など、条件付きで仮審査が通る場合もあります。審査が通らなければ、購入を断念するか頭金を多く用意するなど、無理のない選択を判断しましょう。

3.物件の本契約・正式申し込み

事前審査(仮審査)が通ったら、物件の本契約と住宅ローンの正式な申し込みをします。物件は、重要事項説明と売買契約締結を行い、住宅ローンは本審査を同時進行で実施。基本的には、仮審査が通っていれば本審査も大きな心配はありませんが、書類の不備や申告漏れがあると影響が出てしまうので注意が必要です。

4.住宅ローンの本審査・契約手続き

住宅ローンの本審査が通ったら、最終的な契約手続きを行います。手続き完了までいろいろな書類の準備が必要なので、スムーズに進められるよう事前に確認しておきましょう。

5.物件購入の残金決済・融資実行

最終段階は、物件購入代金の残金決済をするため融資実行がスタートします。決済完了後、物件の引き渡しとなり不動産登記が完了となります。

住宅ローンの選び方

住宅ローンをどこで借りるか、選ぶときのポイントを解説します。自分に合った住宅ローンを組むためにも、借入先を選ぶ知識も身に付けておきましょう。

金利

住宅ローン金利の種類の中から、自分の返済シミュレーションに合ったタイプを選びます。固定金利・変動金利・固定金利期間選択型で金利が変わり、それに伴ってリスクも違います。同じ固定金利でも金融機関によってパーセンテージが異なるため、複数比較してチェックするのがポイントです。月々の返済額や借入する期間に合わせて、自分に合っているものを判断しましょう。

団体信用生命保険(団信)

住宅ローンを組むときは、団体信用生命保険(団信)に入ります。住宅ローンは長期間の契約になるため、急な健康異変や死亡するケースも想定しなくてはいけません。団体信用生命保険(団信)の内容は、金融機関も差別化を図るために充実度が増してきています。死亡や高度障害、がん、生活習慣病まで保障してくれるプランもあるので、詳しい条件などを見て比較しましょう。

諸費用

住宅ローンの借り入れをする際は、事務手数料、保証料、火災保険料、登記費用、印紙税といった諸費用が掛かります。諸費用の掛かり方は金融機関によって異なるため、住宅ローンを組む前に必ず比較したいポイントです。金額に大きく差が付く場合もあるので、忘れずにチェックしましょう。

監修 大森 英則氏

FP相談室/ファイナンシャルプランナー

主に個人のお客様のお金にまつわる様々なご相談(教育費・住宅費・老後費用など)を承り、お客様の紹介を中心に活動させていただいてます。具体的な事例を交えたわかりやすいご案内が特徴で、企業様や市町村にてセミナーを実施。また同業の営業の方の研修も行っています。金融資格だけでなく、ピンクリボンアドバイザー、認知症介助士、住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つ異色のファイナンシャルプランナーです。

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