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家づくり
“間取り迷子”にならない!生活スタイル別おすすめ間取りガイド
「せっかく家を建てるなら、理想の間取りで暮らしたい!」という気持ちは誰にでもあります。
ただし、その気持ちが強いあまり、どんな間取りにしたらよいか分からなくなってしまう「間取り迷子」になるケースも少なくありません。
間取りは、暮らしの快適性や利便性に直結するため、生活スタイルに合わせた設計が大きなポイントです。
今回は、間取りを決める際の重要なポイントや、生活スタイルに合ったおすすめの間取りをご紹介します。
目次
間取りを決めるときに重要なポイント
デザインや広さだけで間取りを決めてしまうと、「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔する原因になります。間取りを決めるときは、以下のポイントを基準に考えることが大切です。
家族構成
家族構成は、間取りを決める際に欠かせない項目です。家族の人数や年齢によって、必要な部屋数や用途を具体的にイメージできます。小さな子どもがいれば子育てを重視した間取りが必要になり、子どもが成長すればプライバシーを確保できる間取りを考慮する必要が出てくるでしょう。
趣味や休日の過ごし方
趣味や休日の過ごし方も、間取り選びに影響します。家は「生活しやすさ」だけでなく「楽しめる空間」であることも大切です。例えば、スポーツ観戦や映画鑑賞が趣味であればシアタールームの設置を検討するのも一案ですし、ホームパーティーが好きであれば、広々としたリビングやゲストルームがある間取りが向いています。
家事動線・収納量
快適な間取りには、家事動線のスムーズさと適切な収納量が欠かせません。洗濯や料理など日常の家事を具体的にイメージし、ストレスを感じにくい動線を設計することで、暮らしやすさは大きく変わります。また、荷物の量に合った収納スペースを確保し、使いやすい場所に配置する工夫をすれば、より快適な住まいになります。
将来的なライフプラン
「今」だけでなく、「将来」を見据えたライフプランに基づく間取り設計が重要です。人生の目標や、結婚、出産、子育て、老後、教育といったさまざまなライフイベントを想定してプランを立てましょう。将来を意識した間取りにすることで、長く快適に暮らせる家づくりにつながります。
【生活スタイル別】おすすめ間取りガイド
快適な暮らしを叶える間取りは、家族構成や生活スタイルによって、どこを重視するかが変わってきます。自分に当てはまる生活スタイルがあったら、参考にしてみてください。
共働き夫婦(DINKS)
共働きDINKSにおすすめの間取りポイントは次の3つです。
・家事動線をスムーズにして時間効率を高める
・パントリーなどの収納スペースを確保
・ワークスペースを設ける
共働き夫婦の場合、仕事が終わってから家事をこなすことが多いため時間に追われがちです。そのため、料理や洗濯などの家事動線をスムーズにして無駄なく動ける間取りにすることで、家事時間を短縮できます。日用品の買い置きがしやすいパントリーや大きめの収納スペースがあると、買い物回数も減らせて便利でしょう。さらに、自宅でリモートワークをする場合は、リビングと分けたワークスペースを設けると集中力を保ちやすく、お互いに心地よく過ごせる住まいになります。
ファミリー世帯
子どもがいるファミリーにおすすめの間取りポイントは次の3つです。
・家族の顔が見えるLDK
・可変性のある間取り
・リビングを中心にした動線
小さな子どもがいる場合は特に、家族の顔が見えるLDKが大切です。家事をしながら子どもの様子を確認できるため、ケガなどの危険を回避というメリットもあります。また、子どもの成長に合わせて部屋数が必要になってくるため、仕切りを動かして部屋を増やせる可変性のある間取りを意識すると安心です。さらに、成長とともにコミュニケーションが取りづらくなる時期もあるため、リビングを中心にした生活動線の間取りにすることで、家族が自然と顔を合わせやすい環境をつくれます。
二世帯住宅
二世帯住宅で快適に暮らすための間取りポイントは次の3つです。
・共有スペースと分けるスペースのバランス
・キッチン・浴室など水まわりのつくり
・生活リズムの違いを考慮した設計
二世帯住宅は、共有する部分と分ける部分の考え方によって、間取りの設計が大きく変わります。どのスペースを共有し、どこを分離するのかを、家族間でよく話し合いながら計画を進めることが大切です。特に、キッチンや浴室などの水まわりは生活に直結するため、配置や共有の可否をしっかり検討しましょう。また、朝型・夜型など生活リズムの違いも考慮する必要があります。家族同士がストレスを感じにくいよう、日常生活を具体的にイメージしながら間取りを考えることが快適な二世帯住宅づくりのポイントです。
自宅にワークスペースが必要
自宅で仕事をする機会が多い場合は、以下の3つを意識しましょう。
・集中できる孤立型のワークスペース
・ON/OFFを切り替えられる間取り
・スペースが限られる場合は、収納と兼用できるワークスペース
リビングの一角で仕事をすると、家族の生活音などでなかなか集中しにくい環境になりがち。そのため、孤立したワークスペースを確保することで、より集中しやすい仕事環境が整います。また、体を休めるためにも、仕事とプライベートのON/OFFを切り替えられる間取りを意識することが大切です。「ワークスペースの確保が難しい」という場合は、収納と一体型のワークスペースを取り入れると、限られたスペースを有効活用できます。
趣味・アウトドアを楽しみたい
趣味やアウトドアを満喫するための間取りポイントは次のとおりです。
・道具をしまえる土間やガレージ
・テラススペースの充実
趣味やアウトドアなどを楽しむために、ガレージや土間を取り入れるケースはよくあります。特に、アウトドアやスポーツが趣味の場合は、道具が大きく汚れやすいことが多いためガレージや土間が最適です。また、自宅でアウトドアを楽しむなら、テラススペースを充実させることで、手軽にバーベキューをしたり外でリラックスしたりできる環境を整えられます。
間取り迷子にならない注意すべきポイント
希望が多すぎて間取り迷子にならないために、いくつかの注意点があります。それらのポイントを踏まえて、ライフスタイルに合った理想の間取りを考えていきましょう。
将来のライフプランや将来設計を具体化
今の生活スタイルだけでなく、3年後・5年後・10年後・・・と将来を見据えた暮らし方をイメージすることが大切です。将来設計は「実現しなければならない」ということではなく、「将来こうなるかもしれない」という想定をしておくことで、長期的に快適な間取りを計画しやすくなります。
変化に対応できる工夫を意識
家族構成や生活スタイルは、時間とともに変化する可能性があります。例えば、仕切りを動かせる間取りにしておけば、将来1部屋増やしたいときにも柔軟に対応できます。また、大きめの収納に窓を設けておけば、将来的に部屋感覚で活用することも可能です。このように、変化に対応しやすい間取りにしておくことで、長く快適な住まいを維持できるでしょう。
業者任せにしないで自分でもイメージを持つ
ハウスメーカーは、多くの経験や実績をもとに、快適な間取りプランを提案してくれます。とても参考になりますが、すべての人に当てはまるわけではないため、自分たちの生活スタイルに合うかどうかをしっかり考える大切です。提案された間取りで実際の生活をシミュレーションし、必要に応じて微調整することで、より満足度の高い間取りに仕上げられます。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。