家づくり

“土地なし”でも大丈夫?住宅展示場から始める家づくり

住宅展示場に行きたいけれど、まだ土地が決まっていない・・・という人は多くいます。
土地を探している最中の人や、購入時期が決まっていない人も少なくありません。
住宅展示場は、建物の案内だけでなく、土地探しを含めたトータルサポートも可能です。
家づくりに不安がある人ほど、住宅展示場を利用するメリットは大きいといえます。
今回は、土地がなくても住宅展示場を活用するメリットや、家づくりのステップについてご紹介します。

土地が無くてもOK!住宅展示場のメリット

住宅展示場は、さまざまなハウスメーカーのモデルハウスが並び、実際の生活をイメージしながら無料で見学することができる場所です。しかし、「土地がないのに住宅展示場へ行っていいのかな」とためらう人も少なくありません。住宅展示場を訪れるメリットも多いので、ぜひ活用してみましょう。

土地と建物が同時進行でも問題無し

住宅展示場では、土地探しと建物の検討を同時進行で進めても大丈夫です。住宅は大きな買い物なので、見学した当日に購入を決める人はほとんどいません。購入時期が未定な人も珍しくありませんから、「いろいろな住宅を見てみたい」「どんなハウスメーカーがあるのか知りたい」という気持ちでまずは気軽に見学してみましょう。複数の間取りやデザイン、設備等を見て比較することで、理想の住宅像がより明確になります。1か所で複数のモデルハウスを見られる住宅展示場は、家づくりのスタート地点として最適です。

ハウスメーカーで土地探しのサポートをしてくれる場合もある

ハウスメーカーによっては、土地探しから購入までトータルでサポートしてくれる場合もあります。土地と建物を同じ会社でまとめて相談できれば、話もスムーズに進めやすいでしょう。また、ハウスメーカーは土地情報を豊富に持っているため、希望する地域に強い会社であれば土地探しも含めて相談してみても良いでしょう初めての住宅購入で予算決めや資金計画に不安がある場合も、トータルでサポートしてもらえると安心です。

建物のプランに合わせて土地探しも1つの方法

家づくりは必ずしも土地探しから始める必要はありません。先に土地を決めてしまうと、建築基準や形状の制約で希望通りの家が建てられないケースもあります。そのため、先に建物プランを考えてから、それに合った土地を探すという進め方もひとつの方法です。

土地なしから始める家づくりのステップ

土地がない状態から家づくりを始める際のステップを、段階的に解説します。スムーズかつ計画的に進めるためにも、事前に流れを把握しておきましょう。

①大まかな予算をイメージする

最初に考えるべきことは「予算」です。例えば、実際に出せる予算が3,000万円なのに、8,000万円の住宅を見ても現実的ではありません。スタート時点では大まかな予算で構わないので、「毎月いくらまでの住宅ローンなら返せそうか」「頭金はいくら用意できるか」「何歳までに返済したいか」を考え、総額いくらの住宅が検討可能かをイメージしましょう。予算が見えてくることで、無駄の少ない土地探し・建物探しができます。

②住宅展示場を見学

インターネットでも情報は得られますが、実物を見ないと分からないことはたくさんあります。特に広さや生活動線などは、画像や動画だけではなかなか実感しにくい部分です。住宅展示場であれば、複数のモデルハウスを一度に見学できるため、好みのデザインや特徴を見つけやすく、理想の住宅像が描きやすくなります。

③建物プランや土地探しなどの相談

気になるハウスメーカーや不動産会社で、建物プランや土地探しについて相談してみましょう。デザインや間取り、設備などを理想の仕様にした場合、予算内に収まるかどうかを確認します。また、予算内に抑えるための工夫や、希望するエリアで必要なおおよその土地予算など、細かな点まで具体的に詰めていくことが大切です。

④資金計画や予算の整理

建物プランや土地の条件が見えてきたら、より具体的な資金計画を立てます。検討しているプランが建物+土地で3,000万円だった場合、無理なく返済できるかをシミュレーションしましょう。住宅ローン審査の見込みや頭金の準備額も含めて、現実的な予算を整理しておくことが重要です。

⑤土地探し&現地確認

希望エリアを中心に土地探しを進め、土地の広さ・日照・周辺環境・予算などを総合的に判断します。土地は実際に現地を確認することが不可欠です。周辺環境や近隣の様子は、実際に見てみないと気づかないことが多くあるからです。特に馴染みのない土地では、平日と休日、昼と夜など複数のタイミングで見に行くことをおすすめします。良い条件の土地は、少し悩んでいる間に他者で契約が決まってしまうこともあるため、気になる土地を見つけたら早めに行動できる準備をしておきましょう。

⑥ローン審査・契約・着工

土地が決まったら、建物と合わせて契約を進めます。住宅ローン審査だけでなく、土地の地盤調査も先行して進めていきましょう。審査や調査に問題がなければ工事を着工します。着工から引渡しまでには36ヶ月かかるケースが多いため、並行して引っ越し準備もしておくと安心です。

土地探しで気を付けたい注意点

家は間取りや設備で工夫できますが、土地は工夫しても後から変えることはできません。そのため、土地探しでは現地をしっかり確認し、注意点を押さえておくことが大切です。

土地の形状・日当たりを確認

実際に建物を建てたとき、土地の形状や日当たりが暮らしに問題がないか確認します。南向きだから安心と思っていても、近隣建物の影響で日照時間が短かったというケースもあります。また、敷地面積に問題がなくても、土地の形状や位置によってはインフラ整備が必要な場合もあります。特に道路から奥に入った「旗竿地(はたざおち)」と呼ばれる形状の土地は、電気や水道などの工事で予想外の出費となることもあるため注意しましょう。

地盤条件を確認

土地購入前に、ハザードマップで地盤の強度や過去の水害状況などをチェックしておくと安心です。地盤改良が必要になった場合、数百万円規模の追加費用がかかることもあるため、事前の確認は重要です。

建物の間取りや高さ制限に影響する法規制

土地の条件として、「建ぺい率(敷地面積に対する建築面積=建物を上から見た面積の割合)」や、「容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)」に制限が設けられている場合があります。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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