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家づくりと同時に考えたい“外構計画”|失敗しない庭づくり
注文住宅を検討する際、多くの人が間取りや内装に意識を向けがちですが、意外と後回しになりやすいのが「外構」です。
外構とは、門やフェンス、庭、駐車スペースなど、建物の外側に関わる部分のこと。
家の見た目の印象を大きく左右するだけでなく、暮らしやすさや防犯性、プライバシーの確保にも関わる大切な要素です。
外構計画を十分に検討せずに家づくりを進めてしまうと、「思ったより費用がかかった」「なんかイメージと違う庭になった」と後悔するケースも少なくありません。
また、外構工事は建物完成後に行われることが多いため、計画が遅れると入居後も工事が続き、新生活に支障が出ることもあります。
今回は、家づくりと同時に考えておきたい外構計画の進め方や、失敗しない庭づくりのポイントについてお伝えします。

目次
外構計画のスケジュールを知ろう!
外構計画をスムーズに進めるためには、全体の流れを把握しておくことが大切です。一般的な外構計画は、以下のようなステップで進んでいきます。
①外構にかける予算を立てる
②外構のデザインをイメージする
③依頼先を決めて見積もりをとる
④理想と現実をすり合わせる
⑤契約をしてスタート
それぞれの項目ごとに、押さえておきたいポイントを解説します。
①外構にかける予算を立てる
まずは、外構にどれくらいの予算をかけるかを決めるのが第一歩です。注文住宅の場合、どうしても建物の費用に意識がいってしまい、外構の予算を十分に確保できていないケースも実は少なくありません。外構工事の費用は、一般的に100万〜300万円程度が目安と言われていますが、こだわり次第ではさらに費用がかかることもあります。駐車スペースやフェンス、庭づくりを「どこまでやるか」によって金額は大きく変わるため、建物計画と同時に外構の予算もしっかり確保しておくことが大切です。
②外構のデザインをイメージする
次に、外構のデザインや全体的なイメージを固めていきます。外構は家全体の印象を決定づけるため、建物デザインとのバランスを意識することが重要です。「ナチュラルな庭にするか、シンプルな外構にするか」「ウッドデッキやテラスを設置するか」「植栽をどのように取り入れるか」など、決めるべき要素はたくさんあります。なかなかイメージが湧かないという方は、施工事例を参考にすると、理想のカタチが見えやすくなるでしょう。
③依頼先を決めて見積もりをとる
外構工事は、家を建てるハウスメーカーにそのまま依頼することもできますし、外構の専門会社に別途依頼することも可能です。建物と一体感のあるデザインを求めるならハウスメーカーがスムーズですが、デザインの自由度や専門的な要素を重視する場合は、外構専門会社という選択肢もあるでしょう。複数の会社から見積もりを取ることで、費用の相場感や提案内容を客観的に比較できます。
④理想と現実を擦り合わせる
打ち合わせでは理想のイメージをもとにプランを作成しますが、実際には予算や敷地の条件によって調整が必要になることが多いです。予算内に収めるために、使用する素材や植栽の種類を変更したり、舗装する範囲を見直したりといった工夫が必要になります。担当者と相談しながら、理想と予算の最適なバランスを見つけ、外構計画を整えていきましょう。
⑤契約をしてスタート
プランと見積もりに納得できたら正式に契約を結び、いよいよ工事がスタートします。前述の通り、外構工事は建物の完成後に行われることが多いため、入居時期を考慮しながら、無理のないスケジュールを組むことが大切です。
外構の主な種類とそれぞれのポイント
一口に「外構」と言っても、門やフェンス、庭などさまざまな要素で構成されています。それぞれの役割やポイントを理解しておくことで、より満足度の高い外構づくりが可能です。代表的な外構の種類と、計画時のポイントを解説します。
門まわり
門柱や門扉などの門まわりは、家の第一印象を決めるまさに「家の顔」です。建物がいくら素敵でも、門まわりのデザイン次第で全体の印象が台無しになってしまうこともあります。ポストや表札、インターホンなどを集約する場所でもあるため、機能性とデザイン性の両立が求められます。近年はシンプルなデザインも人気ですが、何よりも建物とのトータルバランスが重要です。
フェンス・塀
フェンスや塀は、敷地の境界線を示すだけでなく、プライバシーの確保や防犯対策という重要な役割を担っています。高さや素材によって外観の印象が大きく変わりますが、完全に視線を遮る高い塀で囲ってしまうと、圧迫感が出て暗く狭い印象になりがちです。適度に視線が抜けるデザイン(スリットやルーバーなど)を選ぶことで、圧迫感を軽減しつつプライバシーを守ることがポイントです。
アプローチ
門から玄関へと続くアプローチは、家族はもちろん、来客が最初に通る場所です。そのため、デザイン性だけでなく「歩きやすさ」や「滑りにくさ」を意識した設計が求められます。タイルや石材、コンクリート、洗い出しなどさまざまな素材があり、住宅のテイストに合わせて自由に選ぶことができます。
デッキ・テラス
庭と室内を緩やかにつなぐウッドデッキやテラスは、多くの住宅で採用される人気の設備です。子どもの遊び場や休日のバーベキュー、日々の洗濯物干しなど、多目的スペースとして活用できるのが魅力。設置する際は、日当たりや周囲からの視線もしっかり考慮して計画することで、ストレスのない使いやすい空間に仕上がります。
メインガーデン
庭の中心となるメインガーデンは、暮らしに豊かさをもたらしてくれます。芝生や植栽を取り入れることで四季の移ろいを感じられ、家の中からでも美しい緑を楽しむことが可能です。理想の庭が完成すれば、おうち時間はさらに充実したものになるでしょう。ただし、植物の水やりや剪定、芝刈りといった定期的なメンテナンスが必要になるため、自分たちにかかる「手入れの手間」も考慮して計画することが大切です。
駐車・駐輪スペース
駐車スペースは日常的に使う場所だからこそ、使いやすさを最優先に計画する必要があります。車の出し入れのしやすさはもちろん、現在所有している台数だけでなく、来客用のスペースも考慮しておくと安心です。また、将来的に車や自転車の台数が増える可能性も見据え、余裕を持った配置にしておくと、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。
失敗しない庭づくりに重要なポイント5選
外構計画では、見た目の美しさだけでなく、日々の暮らしやすさや将来の変化まで見据えておくことが成功の秘訣です。庭づくりで後悔しないために、特に気を付けたい5つのポイントを解説します。
①建物との統一感
外構は建物とセットになることで、「ひとつの家」としての景観や暮らしやすさが完成します。そのため、建物デザインとの統一感を意識することが何より大切です。外壁の色や質感と外構の素材をリンクさせるなど、デザインの系統を合わせることで、全体的にまとまりのある美しい家づくりが実現します。
②プライバシー性
庭やウッドデッキでくつろぐ際に、意外とストレスになるのが周囲や道路からの視線です。家の中の様子が簡単に見通せてしまう環境は、防犯面でも好ましくありません。かといって全てを高い塀で囲うのではなく、フェンスや植栽をバランスよく配置するのがコツです。圧迫感を抑えつつ、外からの視線を適度に遮ることで、安心して過ごせるプライベート空間がつくれます。
③防犯面や安全性
外構の設計は、防犯面にも大きな影響を与えます。夜間に暗くなりやすい死角には人感センサー付きの照明を設置する、侵入されやすい経路には歩くと音が出る「防犯砂利」を敷くなど、侵入者が嫌がる工夫を盛り込むことが大切です。防犯性を高めることは、家族が安心して暮らせる環境づくりに直結します。
④将来の変化にも対応できる
長く住み続ける家だからこそ、将来的なライフスタイルの変化も想定しておく必要があります。子どもの成長に伴う自転車の増加や、車の買い替えなど、長い目で見れば暮らしのカタチは変わっていくもの。あらかじめ「将来どう使うか」をイメージし、スペースに余裕を持たせた外構計画にしておくことで、変化にも柔軟に対応できるでしょう。
⑤メンテナンスのしやすさ
外構は「完成したら終わり」ではなく、その後も長く良い状態を保つためのメンテナンスが必要です。「植栽が多すぎて手入れが追いつかない」「天然木のウッドデッキが傷んでしまった」と後悔するケースも少なくありません。忙しい方や手入れに自信がない方は、お手入れのラクな素材や植物を選び、負担を少なく美しさを保てる空間づくりを目指しましょう。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。



