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家づくり
資産価値を守る家づくり|長期視点で住宅設計を考えよう!
住宅の購入を考えるときに、住みやすさや理想の生活環境を求めることは多いですが、同じぐらい大事なのが、将来の資産価値を考えることです。家は住む場所という役割だけでなく、個人の大切な資産になります。長期的な資産と理解し、将来を見据えた住宅設計を考えなくてはいけません。しかし、資産価値が決まるポイントや、どのような家の資産価値が高いのかなどはあまり知られていないかもしれません。資産価値が維持できると、先々売却することになってもスムーズに進めることができます。そこで今回は、資産価値を守る家づくりや、将来的な資産を維持する住宅設計についてお伝えします。
目次
資産価値のある家づくりとは
資産価値とは、売却を考えたときに需要と供給によって決まる住宅の価値です。築年数や住宅エリア、住宅条件によって価値が決まり、劣化や悪条件があることは資産価値を下げる要因となります。築年数と共に家が経年劣化するのは仕方のないことですが、長期的な視点で住宅設計を考えることで資産価値の下がりにくい家づくりが可能です。特に注文住宅は、土地選びをはじめ間取りやデザイン設計の自由度が高いので、住宅設計によって資産価値を守ることができるでしょう。
住宅設計によって資産価値が維持できる6つのポイント
注文住宅は、デザインや間取り、素材、構造などもオーダーメイドできるため、住宅設計によって資産価値を維持できるポイントが多いです。資産価値に影響が出やすい住宅設計のポイントは6つあります。
・トレンドやニーズに合ったデザイン設計
・住みやすい間取り
・特徴のあるカスタマイズ
・環境に合った材質選び
・長期的な住宅メンテナンスのしやすさ
・耐震構造&省エネ
住宅設計で資産価値に関わるポイントは、デザインやメンテナンスなど細かく分かれています。それぞれのポイントについて解説します。
トレンドやニーズに合ったデザイン設計
資産価値の基準として、築年数が経っても古臭さを感じさせず新しい印象を与えることが大切です。トレンドを取り入れることは評価を得やすいポイントにもなります。デザイン設計だけでなく、スマートホームなどの新しい機能面を取り入れることもプラス要素です。自分の好みを主張し過ぎるようなデザインは、次の購入者の対象を狭めてしまうことにもなります。多くの人のニーズに合う間取りや住空間を意識することが、長期的な資産価値の維持に最適といえるでしょう。
住みやすい間取り
住みやすい間取り設計は、住宅の評価を上げる重要なポイントになります。子どもの成長に合わせて間取りを変更できる仕様など、ライフスタイルの変化に対応できる柔軟性のある間取りが人気を集めています。家事がしやすい動線や、小さな子どもも安心して過ごせる工夫があると、快適な住まい環境を確保しつつ資産価値の維持に繋がります。また、リフォームがしやすい住宅設計を考えることも、ライフスタイルが変わっても柔軟に対応しやすく、新しい住空間をつくりやすい家と評価されるでしょう。
特徴のあるカスタマイズ
住みやすい間取りに加えて、仕事や趣味などに合わせたカスタマイズも暮らしに豊かさを与えてくれます。現在はリモートワークを導入する企業も増えており、間取りの一角にワークスペースを設けることも一つの方法です。また、音楽鑑賞やゲームなど趣味に合わせた設計や、ペットも快適に暮らせる仕様など、趣味やライフスタイルに関わることを取り入れることでも暮らしの豊かさを実現できます。
環境に合った材質選び
注文住宅では、間取りやデザインだけでなく、外壁や屋根、断熱材などの材質も選べます。例えば、北海道や東北地方、北陸地方のような冬の寒さが厳しい地域では、断熱性の高い素材を使用することもポイントです。地域の環境に合った材質を選ぶことで、長期的に住宅の価値を維持しやすくなります。また、地元材を使用した家づくりなども評価を高めることがあります。
長期的な住宅メンテナンスのしやすさ
住宅の資産価値を維持するためには、メンテナンスのしやすさも重要です。適切なメンテナンスによって家の劣化の進行や状態が変わります。丁寧かつ定期的にメンテナンスをしていると、築年数が経っても良い状態を保つことが可能です。配管などのインフラ設備も、メンテナンスがしやすい配慮をすることで長期的な資産価値の維持に繋がります。
耐震構造&省エネ
地震が多い日本では、高強度で安心できる耐震性が欠かせません。耐震構造を強化することで、長期的に見ても資産価値を維持できるポイントとなります。また、電気料金やガス料金が上がっている昨今、省エネ設備が採用されていることも大きなプラス材料です。
資産価値を守る家づくりに関わる土地選びのポイント
注文住宅ならではの特徴である「土地選び」は、将来の資産価値にとても大きく関わります。古くなって建物の価値がなくなったとしても、土地の価値は古くなって落ちるということはありません。資産価値を下げずに維持するためには、いくつかの点に気を付けて住宅選びをしましょう。住宅選びで注意すべきポイントは以下の5つです。
・エリア選定
・交通アクセス
・最寄り駅からの距離
・災害リスク
・周辺環境&立地環境
ポイントの項目ごとに詳しく解説します。
エリア選定
資産価値を大きく左右するのが、エリア選定。都心部や主要駅に近くなればなるほど地価の高いエリアとなり、必然的に資産価値を高める条件になります。人気の高いエリアを選んでおけば、経済状況や災害などの影響がない限り、簡単に価値が落ちてしまうリスクが低いので慎重にエリア選定をしましょう。
交通アクセス
都心部や主要駅への交通アクセスも、資産価値に比例する重要な条件の一つ。交通利便性の高いエリアということは、通勤や通学に便利な環境であり、多くの人から人気を集めるエリアとなります。交通アクセスは、将来的によくなることはあっても悪くなってしまうことは少ないので、交通アクセスの優れたエリアであれば将来的にも資産価値を維持しやすいでしょう。
最寄り駅からの距離
最寄り駅からの距離も重要ポイントで、徒歩5分、徒歩10分、徒歩15分では相場価格が変わってきます。駅近立地であるほど利便性の高い条件が揃っていることから、将来的な資産価値の維持に大きく影響されます。
災害リスク
エリアによっては、地盤リスクや水害リスクの高いことがあります。ハザードマップで確認できますが、災害リスクの高いエリアの場合、万が一の事態が起きてしまうと土地の資産価値にも影響が出てくる可能性があります。地震や水害といった災害は他人事ではありませんから、できる限り避けるようにしましょう。
周辺環境
周辺環境によって住みやすさや快適性も左右されます。スーパーやドラッグストア、コンビニ、飲食店、金融機関、病院などが近くにある生活環境であれば、住みやすい環境が整っていると言えます。閑静で治安の良い環境、周辺環境が整った地域であれば、資産価値は維持されやすいですが、治安の良くない周辺環境や夜中でも騒音がある地域などは資産価値が下がってしまう原因になりかねません。
監修 野村 綾乃氏
株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役
大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。