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狙われやすい家の特徴と防犯ポイント

近年、住宅に不審者が侵入する被害が増えています。
自ら意識して防犯対策に取り組むことが求められます。
侵入者は事前に住宅を下見し、入りやすいかどうかを調査しており、狙われる住宅には、いくつかの共通点があるようです。
被害に遭わないためには、「狙われやすいポイント」や「侵入者が嫌がる状況」を知っておくことが有効です。
今回は、侵入者に狙われやすい家の特徴や、防犯対策のポイントをご紹介します。

空き巣・泥棒に狙われやすい家の特徴3選

空き巣や泥棒に狙われやすい家には、大きく分けて3つの特徴があります。「自分の家は大丈夫だろう」と思っていても、実は防犯上のリスクを抱えている住宅も少なくありません。。その特徴を確認していきましょう。

留守がわかる家

外から留守の状況がわかる住宅は、侵入されるリスクが高くなります。侵入者は、「何曜日の何時が留守になりやすいか」といった生活パターンを下調べしていることがあります。駐車場に車があるか、自転車があるか、仕事から帰ってくる時間など、その傾向から留守のタイミングを把握します。ほかにも、ポストに郵便物がたまっている状態は長期不在を示すサインにもなるため注意しましょう。

侵入しやすい家

侵入がしやすい家の特徴は以下のような点です。

・隣接した家がない

・外から内部が見えにくい

・浴室やトイレの窓が開きっぱなし

・足場になる物が外に置かれている

・防犯対策がされていない

例えば、隣家がなく人通りも少ない場所だと、仮にガラスを割られても気づかれにくいものです。また、植栽や高い塀で外から見えにくい家は、プライバシー性が高い反面、侵入者にとって好条件にもなってしまいます。さらに、窓が開いていればガラスを割る必要もなく侵入されてしまうので危険です。物置や脚立などを外に置いておくと、それを足場にして2階からも侵入される恐れも。防犯対策を講じていない家は、侵入の障害がないぶん標的となりやすいと言えます。

逃げやすい家

侵入後にすぐ逃げられる家も、狙われやすい条件のひとつです。侵入者にとって最も避けたいのは、「人に見られること」と「逃走時に時間がかかること」。人通りの多い住宅街や、道幅が狭く車両のスピードが出せない場所などでは、逃げにくいため侵入をためらう傾向があります。

侵入者が嫌がるポイントと有効な防犯対策

防犯対策をする上で、ただ単に防犯グッズを取り入れるだけでなく、「侵入者が嫌がる状況」を知ることが有効となります。どのような状況が侵入者にとってリスクとなるのか、どんな防犯グッズが我が家に合っているのかなどを考えて、総合的なセキュリティ強化を図りましょう。

人の目に触れる状況

侵入者は、目撃者がいると困るので、人の目に触れる環境は避けたいと思っています。そのため、外からの視線を遮る高い塀や植栽は、プライバシー保護のために設けたとしても仇となってしまうケースもあります。また、日頃から近隣の方との挨拶や、近所づきあいをしておくことで、見慣れない人物に気づいてもらえることも防犯につながります。

【有効な防犯対策】

・防犯カメラ

「防犯対策をしています」というアピールになるため、見える場所に設置することは抑止力にもなります。ただし、カメラが簡単に壊されてしまうリスクもあるので、手の届かない高所への設置がおすすめです。

音が出る状況

侵入者は、音が出る環境を嫌います。特に夜間や静かな住宅街では、ちょっとした物音でも意外と響くもの。家の中にいても気づけるように、また、近隣に異常を知らせるためにも、音が出る仕組みを備えることも有効です。

【有効な防犯対策】

・防犯ブザー

・防犯砂利

防犯ブザーは、窓の開閉や人感センサーで反応するものなどがあります。ブザーの音が鳴り響くと、近隣住宅にも異変が伝わるので効果的な対策となるでしょう。防犯砂利は、踏む足音で人の侵入を知らせる効果があります。庭や玄関アプローチなどに敷いておくのもおすすめの防犯対策です。

光に照らされる状況

侵入者は人目につかないように、暗い時間帯に犯行を行うことが多いため、ライトに照らされることは大きな抑止力となります。明るいライトが付くことで、侵入者の顔が見え、防犯カメラにも鮮明に映りやすくなります。

【有効な防犯対策】

・人感センサーライト

人を感知して自動点灯するため、暗い時間帯でも効果を発揮します。ソーラータイプの製品であれば、電気代の心配も少なく設置も簡単です。玄関、庭、駐車場、窓付近など、侵入口となりそうな場所に取り付けておきましょう。

時間がかかる状況

侵入に手間がかかると、犯行をあきらめる可能性が高まります。侵入口となり得るドアや窓の開閉に時間がかかる仕組みを設けることが効果的です。

【有効な防犯対策】

・補助鍵

・防犯フィルム

補助鍵を玄関や窓に設置することで、物理的に侵入を困難にできます。補助鍵は内側に設置でき、壊さないと入れないため侵入のハードルが高まるのです。防犯フィルムを窓に貼っておくと、硝子が割れても飛散を防ぎ、時間稼ぎと抑止力になります。ガラスを強化するタイプのフィルムであれば、ハンマーなどで叩き割ろうと思ってもなかなか割れず、大きな音が出るためさらに効果的でしょう。

防犯対策には生活習慣も大切

グッズの設置だけでなく、日々の生活習慣を見直すことも重要です。ちょっとした行動のクセが、侵入者にとって“狙いやすい家”となってしまうので注意しましょう。

鍵を開けたまま外出は危険

「ちょっとコンビニまで」「ゴミ出しだけ」と、玄関の鍵を開けたまま外出していませんか?実はこうした習慣も見られている可能性があり、危険です。鍵が開いている家は、侵入者にとって一番ラクな状態。犯行は数分あれば成立してしまうこともあるため、「ちょっとだから」の短時間でも鍵をかけて外出する習慣をつけましょう。

留守のときの防犯対策

夜になっても照明がつかない、洗濯物が外に干しっぱなし…こうした状況は「留守」と気づかれやすいサインです。夜間の外出時には、一部だけでも照明をつけておくことや、タイマー付きの照明を活用すると良いでしょう。外から見て不在とわかる状況を減らす意識が大切です。

表札は苗字のみにする

表札に家族全員の名前が書いてあるご家庭もありますが、防犯の観点ではリスクが高まります。名前から家族構成や在宅時間の予測がされやすくなるため、表札は苗字のみに留める方が安心でしょう。

監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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