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サンルームは新築時?後付け?テラスとの違いやメリットについて解説します。

雨が降っても洗濯物を干せるなどサンルームにはさまざまなメリットがあります。おしゃれなセカンドリビングとしても活躍するサンルームですが、後付けだと後悔するのではないかと心配な人も多いでしょう。今回はサンルームを設置するのにベストなタイミングについて解説していきます。

1.サンルームの特徴やメリットはどんなもの?

サンルームとテラスは混同されがちですが、具体的にはやや異なる設備です。設置を検討する前にまずサンルームの特徴や設置することで得られるメリット、テラス囲いとの具体的な違いを確認しておきましょう。

サンルームとは?メリットは?

サンルームとは、家の中と外の緩衝帯となるスペースのことです。ガラス窓に覆われているのが特徴で、雨風を防ぎながら日差しを取り入れることができます。
サンルームは、建築基準に合わせてコンクリートで基礎を作り設置します。よって水密性や気密性が非常に高いのも特徴です。野外に囲いを設置するのではなく、ガラス張りの部屋を増設するイメージになります。サンルームは天井や壁がガラス張りなので、悪天候時にも洗濯を干せる、外気を遮断しつつ日差しを取り入れられるなどが設置することで得られる主なメリットです。

日光浴しながら読書を楽しむという使い方もできます。観葉植物やインテリアにこだわっておしゃれな空間を演出すれば、サンルームでの日光浴がより楽しくなるでしょう。ペットや子供に遊び場を提供できるなど、生活スタイルに選択肢を設けることもできます。また潮風に晒される地域では塩害対策が必須です。
潮風に晒されると洗濯物が乾きにくくなるので、晴れの日に屋外で洗濯物を干しても生乾きになってしまうことがあります。

サンルームがあれば潮風から洗濯物を守れます。潮風以外にもPM2.5や花粉、火山灰などを防げるのもメリットです。室内と室外の空気の層が分厚いほど、室内の熱が逃げにくくなります。
サンルームを設置することで室内と室外の間に大きな空気の層ができるので、住宅の断熱性能が上がるというのもメリットです。サンルームを設置すれば余っている庭を有効活用できます。今まで使っていなかった部分を使えるようになるだけで生活の質は向上するでしょう。

物を置くスペースが増えるだけで、生活しやすさが大きく変わることも珍しくありません。自転車やタイヤなど野外に置いていたものを室内で保存できるようになるのもメリットです。
バーベキューをする際に便利というのも、サンルームのメリットです。庭にバーベキューグリルを置いて調理し、サンルームに料理を持ち込んで食べるという楽しみ方ができます。家族だけで楽しむのはもちろん、知人を招いてホームパーティーを開くときっと喜んでくれるでしょう。

ガーデニングルームにするのも、サンルームの有効な活用方法の1つです。日光を遮らないサンルームは、植物にとって絶好のスペースとなります。雨風に晒されることなく植物を育てられるので、手入れも楽です。
冬場のサンルームは、日光だけで十分に暖かくなることがあります。暖房をつけなくても快適に過ごせるので、日中をサンルームで過ごせば光熱費を節約できる可能性があります。

テラスとの違いは何?

サンルームは日光を全面的に取り入れられる設置物です。テラスも同様に日光を全面的に取り入れる設置物になります。サンルームという言葉が浸透したことによりテラスをサンルームと表記する場合もありますが、この2つは似て非なるものです。サンルームの屋根の素材はガラス製やアクリル製のものが殆どでしたが、最近ではポリカーボネート製のものも見られます。対するテラスの屋根の素材の殆どはポリカーボネート製となります。コンクリートで基礎を作り設計するサンルームに対して、テラスの基礎は屋根の柱と補助柱のみです。

基礎が屋根の柱と補助柱のみなので気密性はやや低く、夏は暑く、冬は寒くなりやすくなってしまいます。しかし洗濯物を干したり、観葉植物の雨ざらしを防ぐなどサンルームと同じ用途で利用することはできます。
コンクリートの基礎作りが必要なので、サンルームはテラスよりも必要費用が高い場合がほとんどです。また、サンルームは外気が遮断された屋内の空間とみなされることが確実なので、固定資産税の対象になります。対するテラスは、自治体によっては外気が遮断された屋内の空間とみなされず、固定資産税の対象にならない場合があります。

サンルームは気密性や水密性が高い、居住空間の延長です。対するテラスは、サンルームと比べると気密性や水密性はやや低いので、居住空間の延長ではなく家事などの効率を上げるための設備となります。
設置にかかる費用や、設置後の運用方法などをよく考えてから注文することが大切です。

2.サンルームは新築時の方がよいか、後付けがよいかどちらですか?

さまざまなメリットを得られるサンルームですが、どのタイミングで設置すればよいのか気になる人も多いでしょう。設置後に後悔しないためにも、新築時の設置と後付けでは何が違うのかは知っておきたいところです。

新築時の設置の場合メーカー品もあり安心

新築時にサンルームを設置する場合は、メーカー品のサンルームを選択できます。メーカー品のサンルームは保証がついているので、万が一の不備があった場合でも安心です。
新築時に設置すれば、サンルームを含めた物件として保証会社に図面を提出することになります。よって雨漏りなどが発生しても、サンルームが原因で保証を受けられないという事態にはなりません。

新築時にサンルームを設置すれば、建ぺい率をオーバーする心配もありません。建ぺい率とは敷地面積に占める建築面積のことです。オーバーしてしまうと、売却が困難になるなどさまざまなデメリットがあります。後付けだと、気付かない内に建ぺい率をオーバーしてしまうことがあります。
新築時に注文すればサンルームを含めた面積で建物面積を計算するので、サンルームを設置しても建ぺい率の基準内に収めることができるのです。

 

後付けはお手軽だが、保証が外れることもある

サンルームは後付けでも設置することができます。中古で購入した住宅でも基本的には設置可能です。ペットを飼い始めたなど、生活環境が変化したのでサンルームが欲しくなった場合でも気軽に注文できます。
ただし、サンルームを設置したことで瑕疵の保証が外れてしまう可能性がある点には注意が必要です。瑕疵の保証とは雨漏りや腐食、土壌汚染など住宅に何かしらの問題が発生した場合に受けられる保証のことです。

サンルームを設置する際に、住宅の一部を壊さなければならない場合があります。保険契約時に提出した図面と確認した図面が異なる場合、保証の対象外となる可能性があります。サンルームの設置が原因の場合はもちろん、サンルームの設置とは関係がないトラブルでも保証を受けられないケースもあります。
後付けする際は、必ずハウスメーカーや工務店に瑕疵の保証に影響がないかどうかを確認してからにしましょう。

またサンルームを後付けする際は、メーカーが用意する設置条件を満たす必要があります。十分な設置面積が確保できていない、木造以外の住宅であるなどの場合は条件を満たせない可能性があるので、事前にメーカーが用意した設置条件を満たしているかを確認しておきましょう。

3.サンルームのまとめ

サンルームを設置すれば、雨の日でも洗濯物を干せるなどたくさんのメリットが得られます。日光浴をしながら読書を楽しめるなどおしゃれな過ごし方もできるのも魅力です。そんなサンルームは後付けでも設置できます。しかし、場合によっては瑕疵保証が受けられなくなる可能性があるので、可能であれば新築時に設置した方がよいでしょう。

 

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監修 一級建築 代表取締役 原 康人氏

株式会社三建コンサル

個人・法人のお客様から土地や建物に関するご相談(空き家、相続、土地建物の売買など)を伺い、ご提案をしながら一緒に解決策を見出しています。建築設計はもちろん、土地の測量、農地転用や市町村の申請書類作成も行っており、「土地から建物の相談役」として皆様のお役に立てるよう努めています。

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