家づくり

家を建てるのはいつがベスト?時期・タイミングについて解説します。

家を建てることになった時、いつ完成させるのか?家を建てるのに必要な期間やおすすめのタイミングについてお伝えしていきます。

1.家が完成する工程と工期を把握しよう

持ち家のある方が建替えや新たに建てる家に移り住む場合は、持ち家の売却スケジュールや仮住まいの用意が必要になります。賃貸から新築住宅に引っ越す場合ならば、賃貸の契約期間の関係もあります。そのため仮住まいの家賃や違約金など、余計な出費が出ないように、タイミングを図って計画的に新居完成がするようにしたいものですね。
一般的に、一戸建て住宅を建てるには半年~1年以上の期間が必要とされています。少しでも早く効率よく家を建てるためには、スケジュールを把握することが大切です。
それでは、家を建てる場合のスケジュールについて解説します。

住宅会社選び

住宅会社選びに関しては、早い人で1ヶ月、じっくり検討したい人で3ヶ月程度を目安に会社を探すことが多いようです。
ハウスメーカーや工務店に依頼する場合はデザインから工事まで一貫して任せられるので決まるのも早いでしょう。それに対して、設計と施工を設計事務所と工務店別々に依頼する場合は時間がかかりやすい傾向にあります。

住宅会社はすぐに1社に絞ることはおすすめしません。プラン出しや見積もりを依頼して数社を比較した後に依頼する会社を決めるようにしましょう。
また、ハウスメーカーや工務店によって対応工法や得意とするデザインなどは異なります。カタログや資料を取り寄せたり、ホームページやSNSなどに上がっている写真で好きなテイストの家を造っている会社を探すなどで自分が希望する住まいを実現してくれる会社を選んでくださいね。

土地探しをしながら家の設計を決める

土地からの家づくりの場合、依頼先が決まったら土地を探しながら家の設計を決めましょう。
土地情報も豊富な会社ならば心強いですし家づくりもスムーズです。間取りなど家のデザインを決めるのに必要な期間は目安として2ヶ月〜半年ほど。家のデザインはここでほぼ確定します。
決まったデザインは簡単に変えることはできないので、じっくり時間をかけ熟慮したうえでデザインを決めていきましょう。ここでは住宅会社を先に選ぶ前提で解説を進めていきますが、先に希望の土地を決めてからの家づくりももちろんできます。また、一般的にはこのタイミングで住宅ローンの申し込みも行います。

着工~竣工まで

着工〜竣工までの期間は3ヶ月〜半年程度が目安です。次で詳しくお伝えしますが、施工開始の時期によって工事の進みやすさは変わります。ですから、着工時期から逆算して注文住宅会社選びを始めるのがおすすめです。

2.季節やライフステージなどを考慮した時期を選びましょう

先ほどもご紹介した通り、季節によって工事の進みやすさは変わります。
特に施工開始の季節はよく考える必要があります。また子どもを含めた家族のライフステージの変化も考慮して家を購入したいところでしょう。
それでは、季節やライフステージの変化を意識して家を購入する場合の理想的な購入時期についてお伝えします。

季節で考えた着工

季節を考えて着工を決めるなら、4月〜5月頃もしくは10月〜11月頃がおすすめです。
夏や冬は他の時期と比べて基礎工事の関係で施工期間が長くなりやすい傾向にあります。例えば、夏場に基礎工事を行うと、気温が高すぎてコンクリートがひび割れを起こしてしまう可能性があります。
冬場の基礎工事は凍害のリスクを伴います。住宅の基礎がしっかりできていないと、後々に大規模な修繕工事が必要になってしまうことも。
一般的な住宅の基礎工事に必要な期間は1ヶ月ほど。夏もしくは冬に入る1ヶ月〜2ヶ月前に着工すると、夏・冬に入る頃には基礎ができていて工事もスムーズに進むでしょう。
施工期間が長くなれば、その分費用も高額になる可能性も想定されます。ただし、4月〜5月に施工開始となると上棟のタイミングで梅雨に入ってしまうことがあります。
木材は水に弱く、場合によっては腐ってしまうこともあるかもしれません。また、10月〜11月の施工開始だと、土地によっては雪が降って作業が難航することもあります。
春・秋施工開始は夏・冬施工開始の場合と比べてリスクは少ないものの、リスクが0(ゼロ)になるわけではありませんので、ビルダーとよく相談してしっかりと梅雨や雪の対策をしてくれる業者に依頼しましょう。

ライフステージに合わせた着工

自身の人生において“大きなイベント”が起こるタイミングで家を建てる人は多いです。
“大きなイベント”とは、具体的に挙げると結婚や出産、子どもの就学、親の定年退職など。家族が増えてライフスタイルが変わるタイミングで家を建てるのは、メリットも多いでしょうし心機一転もできて良いでしょう。
この際に大切なのは、ある程度子どもの人数を想定したうえで家の購入を決めることです。やはり子ども部屋は一人一部屋あるのが理想です。子どもも反抗期・思春期に入ると、親離れが始まり家族といるのが嫌になったり一人の時間が欲しくなったりするでしょう。
そこで逃げ場がないと子どもにとってストレスになってしまいます。賃貸と違って一戸建ては高額なので気軽に引っ越せませんし、部屋数を増やすとなると大掛かりな工事が必要になります。将来子どもの予定人数を考慮して家を購入することをおすすめします。

また、出産のタイミングで家を建てる場合は、引っ越し時期と出産時期が被るのはできる限り避けましょう。引っ越し作業は体力を使います。妊娠中はもちろん出産後は体力が落ちますから引っ越し作業は大変です。
したがって、出産のタイミングで家を購入する場合は臨月に入る前に入居を済ませられるように逆算してスケジュールを調整してください。これとは逆に子どもの独立など家族が減るタイミングで家を購入する方もいらっしゃいます。
子どもが家を出た後の方が、独り立ちするまでの子どもの生活スペースを用意する必要がないので楽だと言えるでしょう。

自分たちだけでなく進級や進学など子どものライフステージの変化に合わせて家を購入する方もいらっしゃいます。
この場合、基本的には新年度が始まる直前の3月頃に入居することが多いです。
子どもは大人と違って行動範囲に制限がある分、学校での人間関係の変化はストレスになりやすいものです。今住んでいる地域から離れたエリアへ引っ越す場合、これまで仲良くしていたお友達と気軽に会えなくなるので心細いでしょう。
そこで進学やクラス替えが行われる年度での転校なら、周りの子の人間関係も変わるため子どもも周りに馴染みやすいです。転校の手続きもスムーズに進みやすいので、子どもに合わせて家を建てるならば年度始めに間に合うように引っ越しを済ませたいところでしょう。
ただし、3月入居を希望する人は多いので10月〜11月頃はハウスメーカーや工務店への注文が殺到します。そのため、3月入居を希望するならば、できるだけ早くハウスメーカーや工務店との交渉を始めましょう。

万が一、年度始めの入居が難しい場合は、新学期が始まるタイミングで入居できるように逆算して着工するのがおすすめです。中途半端な時期に転校をしてしまうと、子どもが学校行事の準備に途中から参加することになったり、周りと人間関係ができていないのに突然行事に参加して楽しめなかったりすることも考えられます。
夏休みなど長期の休みの間なら引っ越しに時間も割きやすいでしょう。子どもの学校のスケジュールに合わせて家を建てるならば、できれば新年度、それが難しい場合は新学期の入居を目標に着工するのが良いでしょう。

 

3. 家を建てる時期のまとめ

依頼時期やデザインなどの条件によって異なりますが、家を建てるには半年〜1年以上の期間が必要になります。
そのため、家が完成するまでに暮らす家の契約期間などから逆算してハウスメーカーなどに依頼することが大切です。また、家を建てるタイミングはライフステージの変化や工事を進めやすい季節など人によって様々。
特に新生活が始まる新年度に間に合うように家を建てたい場合、ハウスメーカーの依頼も同時期に集中しやすいので早めに動くことを心がけてくださいね。

 

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監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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