家づくり

子育てしやすい家って?!家づくりと間取りのポイント教えます!

子どもの成長を間近に感じられる「子育て」は親にとってやりがいのあるものです。一方で、子育てのさまざまな悩みが大きなストレスになることも。そのような悩みやストレスを解消する一つの方法が、『子育てしやすい家』に住むことではないでしょうか?本記事では、子育てしやすい家を造る上での間取りのポイントや家づくりで意識したいことなどを紹介します。

1.子育てのあるある悩み

子育てしやすい家を叶えるためには、どのような状況が子育ての悩みになっているのかを分析しなくてはなりません。はじめに、子育てでよくある悩みや、先輩ママ・パパたちの声を見てみましょう。

ママ・パパのストレス

子どもを育てる喜びや楽しみは数えきれないほどありますが、それだけでは語れないのが子育てです。
子育てがママ・パパの悩みやストレスになることもあります。
例えば、いつも子どもの行動に気を配らなければならないこともよくある悩みの一つでしょう。
小さな子どもは大人の予想の斜め上をいくような行動をすることも珍しくありません。
ケガや命の危険に繋がるようなことがないよう常に子どもの動きに意識を向ける必要があるため親は気を張り続け、その結果ストレスを溜めてしまう場合があります。
また、子どもの成長に合わせて、子育てに必要なスペースをどのように確保するかを考えなければならない点も悩みになりやすい部分です。

子どもが小さいうちは、生活スペースを大人と完全に共有する形でもそれほど不都合はないでしょう、しかし子どもの体や心の成長により、将来的に個別のスペースを設ける必要が出てきます。
そのとき、どのように家族間の生活スペースを区切るかの課題が生じます。
住まいの変化は暮らしのクオリティに直結する部分なのでストレスになりやすいかもしれません。

先輩たちの声

子育ての先輩たちの声として、子どものペースについていけず苦労したという悩みが見られます。
特に小さい子どもの行動や思考は、大人からしてみれば「理解できない」と感じられることもあるでしょう。
また、子どもの成長に合わせ生活を変えていくのが大変だったという声も。
なお、子育ての先輩方の住まい事情を見ると、子どもの成長ステージに合わせて住まいを移ったパターン、または住まいを作り替えたパターンなどがあります。
子どもの成長過程に合わせて住まいを移ったママ・パパの中には、子どもが通う学校までの距離を考え、ある程度限られたエリア内で住まいを探さなければならず悩んだ人も少なくないようです。

子どもを取り巻く環境を極力変えないという条件のもと、ベストな住まい探しをするのは簡単なことではないでしょう。
今ある住まいの中から探すのではなく、子育てしやすい間取りで家を建てる先輩も多く見られます。
家族の未来を見据えながら自分たちの希望を盛り込める一戸建ては入居後の満足度も高いようです。

2.子育てしやすい間取りとは

子育てしやすい家を造るには、間取りを意識することが重要です。ここでは、子育てしやすい間取りによく見られる特徴を紹介します。

広いリビングとダイニングでのびのび!

まず挙げられる特徴は、リビングとダイニングが広く取られていること。子どもは室内を縦横無尽に動き回りますから、室内のスペースを十分に確保できると良いですね。
狭くなってしまうと、同じ空間で子どもの動きに翻弄され続ける親にも大きなストレスが溜まります。
ゆとりのある空間を確保することで程よい距離感が生まれ、子どもも大人も快適に過ごすことができるでしょう。
また、リビングやダイニングは家族が集まり、長い時間を過ごす場所でもあります。
家の中心的なスペースを広くすることで暮らしにゆとりが生まれ、のびのびと生活できるでしょう。また、予め広く設計しておけば、子どもが成長し体が大きくなっても空間が圧迫されることもないでしょう。
子育てストレスは小さなものではありません。
心にゆとりを持って子育てをするためにもリビング・ダイニングのスペースの取り方にはこだわってみましょう。

料理中でも目が届くキッチンに

ママ・パパは子どもから目を離さないよう、常に注意しながら子育てを行っています。
しかし、子育てだけではなく、料理・洗濯・掃除など日々の家事もこなす必要があります。家の間取りによっては子どもを見守りながらの家事がスムーズに行えないこともあるでしょう。
例えば、キッチンとリビングが壁を隔てて完全に別の部屋になっている場合、料理中は子どもの姿を確認できません。また、リビングと別方向を向いているキッチンも同じことが言えます。

 

こまめに子どもの姿を確認するために家事を中断していては、思うようにスケジュールが進まずイライラしてしまうこともあるでしょう。
このようなストレスから解放されるためにも家事をしながらでも子どもを確認できる間取りが便利です。
例えば、料理中でも子どもに目が届くキッチンであれば安心感があります。リビング・ダイニングと一体になった対面式カウンターキッチンなどがこれに当たります。
夕飯の準備をしつつ、顔をあげればリビングで過ごしている子どもたちの様子がすぐ確認できるキッチンなら、料理を中断しなくて良いのでとても効率的ですよね。

子ども部屋の間取りは広く!

子育て世帯の間取りで多く見られるのが「子ども部屋」です。子どもが遊ぶスペースとして子ども部屋を設けることで、家の中のほかのスペースがおもちゃなどで散らかることを防げます。また、子どもは成長に連れて自我や個人の意識がはっきりしてきますから、プライベートを守りたいという気持ちも徐々に芽生えるでしょう。自分だけの空間を持ちたいと考え始めたときに子ども部屋があれば便利です。

 

子ども部屋の間取りのポイントは面積を広くとることです。子どもだからコンパクトな部屋で十分だろうと考えるかもしれませんが、子どもはすぐ大きくなるもの。あっという間に部屋が狭くなり、新たに広い部屋を用意しなければいけなくなってしまいます。成長を見越して十分な広さを確保しておくと便利でしょう。また、子どもが複数人いる場合は子ども部屋を広くとっておくと、11部屋欲しいと子どもに希望されたとき、室内を区切って部屋数を増やすこともできます。

3.子どもの成長を考えた家づくり

一戸建ては「子育て 家づくり 育児」の問題を解決しやすい住まいです。より長く快適に暮らせる住まいを実現するためには、子どもの成長を考えた家づくりを行うことが大切です。では、どのような点を意識すれば良いのか主なポイントを見ていきましょう。

0歳から巣立つまでを考えた間取り

子どもの成長を考えた家づくりをする際に大事なのは、子どもの成長の一部分を切り取った間取りではなく、生まれてから自立するまで長いスパンを見越した間取りにすることです。一定の年齢以降に生活しづらくなるような家では、子育てしやすい家とは言えません。0歳の赤ちゃんから大人になって家を出て行くまで全てのステージをカバーできる家が、真に子育てしやすい家なのです。はじめから完璧な子育てしやすい家を造るとなると「難しそう…」と躊躇するかもしれませんが、子どもの成長とともに必要に応じて変化できる家、子どもとともに成長していける家と考えてみてはいかがでしょうか。

バリアフリーについて

子育てしやすい家は、高齢者が過ごしやすい家にも繋がります。子どもも高齢者もどちらも自分だけで身の周りのことを行うのが難しい年代だからです。例えば、床の段差で考えてみましょう。小さな子どもはまだ運動機能が十分に発達していないため、歩行がおぼつかず、ちょっとした段差につまずいてしまうことがあります。そして高齢者は加齢により運動機能が若い頃と比べて低下し、足があまり上がらなくなるなどの理由で段差を越えにくくなります。段差がない家であれば、小さい子どもを育てる上でも安心でき、子どもが巣立った後は高齢になる自分たちのバリアフリーとしても有効です。

 

走り回る子どもの転倒防止のために、床に滑りにくい素材を使用するのも一つの方法です。高齢者は足腰が弱くなっているため、単純な骨折も寝たきりなどに繋がってしまう可能性があります。子どものための滑りにくい床は、高齢者にも好ましいのです。また、子どもと一緒に入浴できる大きい浴槽は、高齢者の介護などを考えたときにも使いやすいでしょう。このように、子育てしやすい家は親世代が高齢者になったときの生活にも上手くスライドさせられます。

老後を考えた間取り

家は子育てが終わってもその役目を終えるわけではありません。子どもが自立した後は自分たちがメインで暮らしていくことになります。そのため、子どもがいる時期だけを意識した家づくりを行うと、老後を迎えてから不便さを感じる可能性も。子どもの成長を考えた家づくりをする際は、その先の老後まで見据えることも重要です。例えば、家の中に階段がある場合、若い頃は何も問題なく上り下りできるでしょうが、高齢になると足腰が弱くなって階段の行き来すら面倒になる可能性があります。もし階段を使うのが難しくなったとき、階段を極力使わずに生活できるような間取りであれば快適ですよね。

また、生活動線を考慮して極力少ない移動で暮らせる間取りを考えるのも良いでしょう。動線はくねくね曲がっているよりも、直線の方が足腰の負担は軽くなります。生活の中でよく使う水回りなどを一カ所に集約することで動線をコンパクトにするのも一つの方法です。ベストな間取りを導き出すのは簡単なことではありませんが、未来を描く楽しい作業とも言えます。自分たちの老後を豊かにするため、どのような工夫ができるか考えてみましょう。

4.子育てしやすい家についてのまとめ

子育てしやすい家なら子どもが生まれてから自分たちの老後まで快適な暮らしが叶えられる

子育ての悩みが大きなストレスになると、心身や生活にマイナスの影響が出てしまうことも。子育てしやすい家は、子育てに関するさまざまな悩みを解消し、快適な暮らしを叶えてくれます。また、子育ての真っ只中だけでなく、子どもが巣立ち高齢になった自分たちが住む家としても便利です。ぜひこの記事を参考に、家族に長く寄り添ってくれるような住みよい家づくりを考えてみてくださいね。

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監修 野村 綾乃氏

株式会社アンズコミュニケーションズ 代表取締役

大手証券会社のOL を経てラジオ業界に転身。ラジオ番組パーソナリティに。現在の担当番組は、『笠原将弘の賛否両論/東海ラジオ』『市政情報/エフエム岡崎』。番組構成作家を行いながら、住宅ライターとしても住宅系雑誌・WEBサイトでのコラム・取材記事の執筆、監修、講師で活躍中。

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